団体側「現金がもらえると来れば、助かる命がある」
「中絶を考えられている方」に呼びかけたのは、経済的な理由などで中絶する女性が多くなっており、養子縁組という選択肢を知ってもらうことで胎児の命を1人でも多く救うことができるからだとしている。
また、赤ちゃんを産むことを選択した場合でも、乳児院のような施設よりも養親のいる家庭の方が赤ちゃんには望ましいことを挙げる。行政の児童相談所が養子縁組を行う数は限られているが、晩婚化などから子供に恵まれず養親になりたい人が増えており、実親に養子縁組を選んでもらいたかったとしている。
全国おやこ福祉支援センターの阪口源太代表は11月29日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように話した。
「2週間に1人の割合で、赤ちゃんの遺棄事件が起きています。人身売買が行われるわけではありませんが、現金がもらえると思って相談に来てもらえれば、助かる命があります。最大200万円の文言のおかげで、実際多くの人から問い合わせを受けているんですよ」
一方、大阪市のこども家庭課では、支援センターへの行政指導を行う方針に変わりはないと取材に答えた。
「養親が出産にかかった費用を100~150万円負担するケースも確かにあり、文言が直ちに違法になるわけではありません。しかし、キャッチコピー風に書かれ、実親が現金をもらえるかのような表現になっており、やはり誤解を招く恐れがあります」
支援センターでは、「最大120万円相当の援助実績有り」の表現を打診したというが、こども家庭課では、「費用はそのときで違いますので、金額を明示することはおかしい。お金をもらえると勘違いされる恐れがあります」とその表現でもダメだとしている。