宮城県の「顔立てた」妥協点 五輪ボート会場、結局「海の森」だが...

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   2020年東京五輪・パラリンピックで見直しが焦点になっていた3会場のうち2会場は、当初提案されていた場所のままでコストを削減して建設することになった。東京都、政府、組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)が2016年11月29日に行った4者協議で決まった。

   一連の再検討のきっかけになったのは、都政改革本部のオリパラ調査チームが9月29日に発表した調査報告書。報告書では東京都以外での開催も提言されていたが、少なくとも2会場については、提言以前の原案に近い形で決着することになりそうだ。

  • 2016年5月時点での「海の森水上競技場」の完成イメージ図(東京都ウェブサイトから)
    2016年5月時点での「海の森水上競技場」の完成イメージ図(東京都ウェブサイトから)
  • 2016年5月時点での「海の森水上競技場」の完成イメージ図(東京都ウェブサイトから)

「復興五輪」の大義名分を維持

   調査チームの報告書では、

「今のままでは、開催総費用は3兆円を超える可能性がある」

として、都が建設することになっている7つの新規恒久施設のうち、「海の森水上競技場」(ボート、カヌー<スプリント>)、「アクアティクスセンター」(水泳<競泳、飛込、シンクロナイズドスイミング>)、「有明アリーナ」(バレーボール)の3施設について、東京都以外への移設や既存施設の改修で対応すべきだと提言していた。

   ボート、カヌーについては、調査チームは長沼ボート場(宮城県登米市)への移設を提言していたが、今回の協議では海の森水上競技場を整備することで一致。今後、常設にするか仮設にするかを詰めるなどしてコスト削減を図る。長沼ボート場については、ボート・カヌーの事前合宿を行うことで合意。「復興五輪」という大義名分を維持しつつ、誘致に積極的だった宮城県など地元自治体の顔を立てた形だ。

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