【男と女の相談室】「お前は犯人ヅラ」と言われたら 人工知能が顔写真で犯罪者判定

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   「このツラ構えは、絶対にやっている! しょっぴいて叩けばホコリが出るだろう」。今どきこんなセリフを刑事ものドラマで言わせれば、「人権侵害だ」とインターネット上で炎上するのは必至だ。

   中国の研究チームがAI(人工知能)を使って顔写真から犯罪者か犯罪者でないか「判別」する方法を開発、ネット上で「これは冗談?   それとも中国の司法当局は本気で使うつもり?」「理にかなった研究だ」と話題になっている。

  • 「犯人」は顔を見ればわかる?
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「鼻の下が長い」「両目の間隔が短い」と犯罪者

   研究をまとめたのは中国・上海交通大学の暁呉氏と西帳氏の2人。米マサチューセッツ工科大学(MIT)の子会社が運営するテクノロジーの学術サイト「MITテクノロジ・レビュー」(電子版)の2016年11月21日号に発表した。

   論文によると、研究チームは、18~55歳までの1856人の中国人男性の顔写真を実験に使った。写真は顔に傷やホクロ、メガネや垂れた髪など覆う部分がなく、すべて身分証明書の写真を使った。犯罪者の場合でも警察で撮影した写真は使用していない。1856人のうち、前科のない非犯罪者は1126人、犯罪者は730人。犯罪者のうち235人は殺害、強盗、誘拐、暴行などの凶悪犯だ。

   これらの顔写真を、膨大な量の犯罪者の写真から「学習」したAIに見せ、4つの画像処理の方法を使って「犯罪者」か「非犯罪者」を判定させた。すると、その中の1つ「畳み込みニューラルネットワーク」(CNN=Convolutional Neural Network)という画像認識方法を使うと、89.5%の高率で「犯罪者」を識別した。CNNは、脳の視覚野の神経結合と似たネットワークで、人間の認知とよく似た学習が行われるため、最近注目されている方法だ。ほかの3つの画像認識方法でも、数パーセントの差の範囲内で「犯罪者」を識別した。

   いったい、AIはどうやって「犯罪者」と「非犯罪者」を識別したのか。両者には次のような「違い」があるという。

(1)犯罪者は、鼻の先と唇の両端を結ぶ二等辺三角形の形に特徴がある。二等辺三角形の頂点の角度が、非犯罪者に比べ、平均19.6%小さい。つまり、角度が小さいため、三角形が尖がっており、鼻の下が長く見える。
(2)犯罪者は、上唇の曲率(カーブ)が非犯罪者に比べ、平均で23.4%大きい。つまり、口を「へ」の字で曲げる割合が高く、ムッツリした表情になる。これに対し、非犯罪者はちょっと微笑んでいる印象を受ける。
(3)左右の目の間の距離が、犯罪者は非犯罪者に比べ、平均で5.6%短い。つまり、目と目の間隔が狭いのだ。

   以上のことから、論文に掲載されている犯罪者と非犯罪者の見本の顔写真を見ると、全体的に犯罪者はやや陰気な、非犯罪者はやや陽気な印象を受ける。

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