ファブリーズ「くさや」CM、批判で放送差し替え 対決映像に産地から苦情

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   日本一くさい食べ物とされる伊豆諸島の特産品「くさや」と対決する――こううたった消臭剤「ファブリーズ」のテレビCMに苦情が出て、ファブリーズの製造元P&GがCMの差し替えを決める騒ぎになっている。

   新鮮なムロアジなどを独特の「くさや液」に浸して干物にしたのが「くさや」だ。一説では、新島で生まれ、八丈島などに伝わったともされている。

  • CMの内容がネット上でも論議に
    CMの内容がネット上でも論議に
  • CMの内容がネット上でも論議に

P&G「伝統食に対する敬意が足りなかった」

   P&Gの広報部によると、「ファブリーズ VS くさや」のCMは2015年春ごろからユーチューブにアップしていた。それが分かりやすいと好評だったため、穏やかな表現に変えて、16年11月14日からテレビでもCMを流した。

   「う~ん、何これ?」「う~ん、くっさい!」。若い女性2人がくさやのビンが中に置かれた透明なケースの穴から次々に臭いをかぎ、こんな声を上げて顔をしかめる。ところが、ファブリーズを中に置くと、女性の1人が「あ、凄い! 臭わないです。凄い」と感心して、テロップに「ファブリーズの勝利!!」などと表示されるというものだ。

   しかし、11月24日ごろになって、P&Gのお客様相談室に苦情や批判の電話などが入るようになった。翌日までに14件を数え、うち8件がくさや生産地の地元だと伝えてきた。その内容としては、くさやの臭い面だけを取り上げて、そのおいしさなども伝えないのはかたよっているというものが多かったという。

   一部の地元議員も、フェイスブックなどでテレビCMを批判して、地元の人の抗議について伝えており、生産地でもCMを不快に思う人は実際にいるようだ。

   P&Gでは25日、社内で検討した結果、「不愉快に思っている人がおり、しっかり対応しないといけない」として、テレビCMをいったん中止することを決め、ユーチューブのCMは削除した。苦情などを入れた人のうち連絡が取れるケースでは、その結果を報告したうえでCMの内容について謝罪した。

   28日には、ファブリーズの公式サイト上でお詫び文を掲載した。そこでは、テレビCMに「配慮の欠けた内容があった」として、東京都内では12月1日から、全国では5日から別のCMに差し替えるとしている。

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