電気自動車(EV)のフォーミュラレーシングカー「フォーミュラE」が2016年11月23日、東京・丸の内の公道でデモンストレーション走行を行った。日本国内でフォーミュラEがデモ走行を行うのは、15年8月の東京・六本木に続いて今回が2回目。「多くの皆さんに最先端のEV技術に触れてほしい」というのがイベントの趣旨だが、「将来的にフォーミュラEのレースを東京に誘致したい」というのがファンや関係者の本音だ。
フォーミュラEのデモ走行は、民間団体「エコロジー&モビリティフェアin丸の内」実行委員会が主催。FIA(世界自動車連盟)主催のフォーミュラE世界選手権に出場するレーシングドライバー、ルーカス・ディ・グラッシ選手が東京・丸の内の仲通りを走行した。ただし、今回は「安全を鑑みて徐行レベルのスピード」(主催者)となったため、レース本番の迫力ある走りを見ることはできなかった。
香港、パリ、ベルリン、ニューヨーク、モントリオールなど
デモ走行前のイベントには、元F1ドライバーの片山右京氏が登場。EV技術の進歩やフォーミュラEの魅力などについて語った。片山氏はテレビ朝日のフォーミュラEレースの解説者も務めている。
フォーミュラE世界選手権はFIAが主催する新たなモータースポーツとして2014年に誕生。排気音や排気ガスを出さないEVの特徴を生かし、世界選手権としては史上初めて全戦市街地の公道で行われている。今シーズンは香港、パリ、ベルリン、ニューヨーク、モントリオールなど世界10都市を転戦している。
一般公道を一時閉鎖し、クローズドコースとして使用するレースはF1モナコグランプリなどが知られるが、恒久施設としてサーキットを新設するよりも設備投資や維持費がかからず、市街地コースとなるため集客効果が高いといったメリットがある。