千葉大学医学部の男子学生3人が集団強姦致傷容疑で逮捕された事件で、容疑者が警察から公表されなかったことで、作家の百田尚樹氏の「(犯人の学生たちは)在日外国人たちではないかという気がする」というツイートが波紋を広げている。
これに、ジャーナリストの津田大介氏が「(百田氏のツイッターの)アカウント停止すればいい」と批判。これがネット上で拡散され、「百田氏の指摘はヘイトスピーチだ」、「津田氏の主張は言論弾圧だ」といった大論争の様相を呈している。
百田氏「千葉大事件の犯人は在日外国人ではないか」
百田氏は24日未明、ツイッターに
「千葉大医学部の学生の『集団レイプ事件』の犯人たちの名前を、県警が公表せず。犯人の学生たちは大物政治家の息子か、警察幹部の息子か、などと言われているが、私は在日外国人たちではないかという気がする」
などと投稿した。
このツイートがまとめサイトなどで拡散されると、NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹氏は24日夜、「ベストセラー作家が公然とヘイトスピーチを行う社会になってしまったとは・・・」とツイッターに投稿。
また、著書「殉愛の真実」(宝島社)などで百田氏を批判してきたライターの西岡研介氏も同日、「どうしようもないなこの人は」とツイッターで反応した。
津田大介氏「ツイッターの利用規約違反」
その上で、さらに鋭い批判の矛先を向けたのが津田氏だった。25日になって、百田氏のツイートの画像を掲載して
「この人この種の発言懲りずに何度も繰り返してるし、単にツイッターの利用規約違反なので、ツイッター社は然るべき警告した上でそれでもやめないようなら、この人のアカウント停止すればいいんじゃないかな」
とツイートした。
津田氏は、ツイッターの利用規則の画像も掲載している。その中の「攻撃的な行為」の欄で「以下のような行為をしているアカウント、およびこれに関連するアカウントは、一時的にロックまたは永久凍結されることがあります」と書かれ、対象となる行為には、「嫌がらせ」や「特定の人種、性別、宗教などに対するヘイト行為」が入っていることを読者に見せて、百田氏の行為はこれに抵触すると、主張したものとみられる。
これらの百田、津田両氏のツイートをまとめたものがインターネット上で拡散し、映画評論家の町山智浩氏が25日、アメリカの次期大統領のドナルド・トランプ氏と結び付けて「トランプの『メキシコ移民は強姦魔』とまったく同じ種類の発言。百田尚樹」と投稿するなど、他の著名人からも百田氏を非難する声が上がった。
両氏がツイッターで批判の応酬
百田氏はこうした声を受けて25日、ツイッターを更新し、
「千葉大の集団レイプの犯人が公表されない理由について、『犯人が在日外国人だからではないか』と呟いたら、多くの人から『ヘイトスピーチ』『差別主義者』と言われた。私は犯人が公表されない理由の一つを推論したにすぎない。しかも民族も特定していない。こんな言論さえヘイトスピーチなのか」
と反論した。ネット掲示板やツイッターでは百田氏に同調する声も少なからずあり、津田氏のツイートは「言論弾圧を行う自称リベラル」「在日外国人なら何をしても許されるってこと?」などと批判された。
津田氏はそうした書き込みに対して26日未明、
「利用規約に抵触するかもしれない発言を指摘することは『言論弾圧』じゃないし、『発言の機会与えるな』なんてことも言ってない。ツイッター凍結されたところで、テレビやら本やら自身が管理するブログやらで自由に発言すればいい(その場に応じた発言の責任を取ればいい)わけで」
とコメントした。
すると、「在日特権を許さない市民の会」前代表で、日本第一党代表の桜井誠氏が11月26日朝には、
「犯罪組織しばき隊残党一味の仲間、金髪豚野郎が百田尚樹氏のツイートで集団レイプ事件で逮捕された人間が在日外国人ではないか?と書いたことについて、これを朝鮮人と脳内変換した挙句『百田のツイートを止めろ』を喚き散らしているようです。一度、精神下位に診察してもらったらどうでしょうか?(原文ママ)」
と津田氏を批判したと思われるツイートを投稿した。
11月27日朝に産経新聞がネットで百田氏と津田氏のやりとりを記事にまとめて報道したところ、ネット上では、
「これが差別じゃなかったらなんになる」
「どう考えたって、ヘイトスピーチでしょ」
「百田尚樹さんのアカウントではなくて津田大介のアカウントこそ削除されるべきじゃないのか?」
「津田の言論弾圧の方が問題だ!」
と両氏への賛否両論が沸き起こっている。