「跳び箱」は組体操より危険 事故件数「最多」でも安全対策進まず

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スポーツ庁「跳び箱に絞った安全対策は行われていない」

   このように、見方によっては組体操よりも「危険」ともいえる跳び箱だが、その安全対策については個別の取り組みが進んでいないのが現状だ。スポーツ庁学校体育室の担当者は16年11月25日のJ-CASTニュースの取材に対し、

「学校の体育全般については、各教育委員会を通じて事故防止の通知や、指導方法の研修を行っています。ですが、『跳び箱』に絞った取り組みはこれまでに行ったことがありません」

と話す。

   そのほか、危険性の高い「ピラミッド」や「タワー」などの大技を全国に先駆けて禁止するなど、組体操の安全対策に力を入れている大阪市教育委員会でも、跳び箱については 「個別の安全対策は行っていない」という。

   また、同じような組体操の安全対策を、県単位で推し進めた静岡県教育委員会健康体育科の担当者も、

「幸いにも県内で大きな事故が報告されていないことや、スポーツ庁からの通知がないため、これまでに跳び箱に関する個別の注意喚起を行ったことはありません」

と取材に話していた。

   授業中の跳び箱による事故が多い理由について、体操競技や器械運動を専門とする男性大学教授は取材に対し、

「小学校では器械体操を専門的に学んだ教員がいないため、競技における危険なポイントを全て把握するのが難しいことが理由の一つです。また、クラス単位で授業を行うので、教員の指導が行き届かない部分もあるのではないでしょうか」

と話している。

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