投手のA級戦犯内海とFAの片岡も大幅ダウン
「巨人は日本一にならなければならない。リーグ優勝では満足しない。そういう伝統である」
球団幹部の言葉である。阿部をはじめ許されざる成績への示しはすさまじい。
投手のA級戦犯と名指しされたのが内海哲也。今季の4億円は9勝にほど遠いとして、実に2億円ダウンの2億円というきついものだった。
「来年は先発ローテーションを守ってシーズンを投げ通したい」
エースとして君臨してきた左腕は悲壮感を見せた。
フリーエージェント(FA)で入団した選手ももろに逆風に遭った。
投手の大竹寛は3000万円ダウンの7000万円で更改した。6勝6敗では話にならなかった。
「来年の契約をしてもらい、野球をできることに感謝したい。来年はとにかく頑張る」
片岡治大も2600万円ダウンの6000万円で更改を終えた。今シーズンは32試合しか出ていない。
「振り返りたくないシーズンでした。申し訳ない」
俊足の選手も元気がない。彼もFAで西武から巨人入りした選手。今秋のドラフト会議で1位指名した吉川尚輝(中京学院大)は期待の内野手だけに、片岡の心中は穏やかではないだろう。
巨人は日本一になると大盤振る舞いをするが、ひとたび負けると大なたが振り下ろされる。
「フロントの責任が大きい。ろくに補強しなかったんだから」
渡辺恒雄(読売新聞グループ本社代表取締役主筆)大ボスがシーズン中に指摘した通りの今シーズンで、フロントも青ざめている。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)