【健康カプセル!ゲンキの時間】(TBS系)2016年11月20日放送
「実はカラダの万能薬 ワインを飲んで健康になろう!」
「フレンチパラドックス」という言葉をご存知だろうか。フランスでは、バターやチーズなど動物性脂肪を多く摂(と)る食生活にもかかわらず、心臓病患者が少ないというデータがある。
その健康の秘けつはワインにあると言われている。普段からたしなんでいる人も、「酒は苦手だ、飲めない」という人も、必見の情報だ。
赤ワインは「長寿遺伝子」をオン
ワインは長年熟成させても腐らず、おいしくなると言われているが、これは「有機酸」という成分が含まれているからだ。人間の体にも効果的で、代謝に働きかけ、腸内環境や肌の状態を改善する。
カリウムもふんだんに含まれ、余分な水分や老廃物を排出する。骨を強化するカルシウムやマグネシウムも入っている。
特に皮と種を取り除かず造る赤ワインには、「ポリフェノール」が豊富だ。
ポリフェノールは植物が紫外線や外敵などから身を守るために作る抗酸化物質の総称で、人間の体内で酸素の一部が活性酸素となり細胞を酸化させるのを防ぐ。
ワインを熟成させると、ポリフェノールは、鎖のように連なり抗酸化力を増す「重合」という変化をする。ただし、重合しすぎると吸収が悪くなってしまう。白澤抗加齢医学研究所の白澤卓二所長によると、5年くらい熟成させたものが最も健康効果が高く、吸収率もよいという。
ポリフェノールの中でも「レスベラトロール」という成分が最注目だ。
細胞の老化を遅らせ若さを保つ「長寿遺伝子」は全ての人が持っているが、普段はオフになっている。カロリー制限や適度な運動、そしてレスベラトロールによってスイッチが入る。赤ワイン以外では落花生の薄皮くらいにしか含まれていない。
理にかなった定番おつまみ
ワインの定番おつまみにも、健康効果の増進が期待できる。
例えばチーズ。ワインもチーズも発酵食品で、発酵の過程でタンパク質がアミノ酸に分解されるが、それぞれ成分が異なる。両方食べれば多くのアミノ酸を摂取でき、全身の代謝が活性化する。
ナッツやオリーブに含まれる油には抗炎症作用があり、ワインの抗酸化力とあいまって動脈硬化予防につながる。
豚肉を加工した生ハムには豊富にビタミンB群が含まれ、アルコールの分解を促す。
毎日適度に飲もうと思ったら、あまり高級なものは買えないという人が多いだろう。全日本最優秀ソムリエの佐藤陽一氏によると、1000円前後の手頃なワインをフルーティーでまろやかにするには、一度栓を開け、中身をグラス1杯分ほど出してから再び栓をし、ビンを5回ほどガシャガシャと振るとよい。
おいしくて健康にもつながるからといって、もちろん飲み過ぎには注意だ。白澤氏は、1日グラス3杯までにする「グラサンルール」を守っている。
ワインの栄養成分や健康効果は熱に強いので、酒に弱い、飲めない、控えているという人などは、調理に使うとよい。