外務省の情報を10代・20代に分かりやすく伝えるツイッターアカウント「外務省やわらかツイート」のあるツイートが、「ちっともやわらかくない」と批判を浴びている。
内容は、キューバ危機と東京都心に降った初雪の意外な「関係」を説明したもの。J-CASTニュースでは今回、ツイートの意図を同省に聞いた。
「ちっともやわらかくない」
批判のきっかけは、2016年11月23日に投稿されたこのツイート。
「東京都心で11月に初雪が降るのは1962年以来54年ぶりということですが、1962年といえば、ミサイルを積んだソ連船のキューバ港到着を阻止するため、米国が海上を封鎖し、米ソ間の対立が核戦争にまで発展しかねないという緊張感が一気に高まったキューバ危機があった年です」
54年ぶりに東京都心で11月の初雪が観測されたことと、54年前に起こった「キューバ危機」をからめた。ちなみに、キューバ危機とはソ連(当時)のキューバへのミサイル配置をめぐり、アメリカとソ連が対立を深めた出来事。一時は核戦争の勃発も懸念されたが、両国は外交交渉でこれを回避している。冷戦の行方を決定づけた重大事件だ。
「やわらかツイート」はフォロワー数が18万に達し、わかりやすい話が若者に人気が高い。しかし、今回の内容が10代、20代にはなじみの薄い内容だったためか、
「全然やわらかくない」
「おだやかじゃない」
「相当ハードなやわらかツイート」
とツッコミが殺到。まとめサイト「Togetter」に「ちっともやわらかくない」というタイトルのまとめ記事まで作られた。
これに対し、同アカウントも「名前の割に大してやわらかくないと評判」と自虐しつつ、「外務省(的にはけっこう無理して@mofajapan_jpに比べればはるかに)やわらか(い話もしていると思っていてすみませんが公的機関なのであまりゆるくはできない)ツイートです。お察しください」と釈明した。つまり、外務省本体の公式アカウントよりは「やわらかく」しているつもりだ、というのだ。
1962年といえば「これしかないと思った」
東京都心の初雪とキューバ危機を、なぜからめたのか。アカウントを運営する外務省IT広報室の担当者はJ-CASTニュースの取材に、
「1962年に起こった外交関係の大きな事件は、これしかないと思いました」
と明かす。
そして、「やわらかくない」批判に対し、
「この時はたまたま硬い話題になってしまいましたが、外国の文化を紹介するなど『やわらかツイート』も織り交ぜています。長くフォローして下さっている方であれば、お分かりかと思います」
と自信を見せた。
一方、まとめ記事については
「把握しています。こうした声も参考にし、よりよいツイートをしていきたいです」
と語っている。