11月24日が「和食の日」にちなみ、国立情報学研究所と国文学研究資料館が2016年11月24日、江戸時代の料理本に記された当時の「スイーツ」など家庭で再現できるレシピを、日本最大の料理レシピサイト「クックパッド」上に公開した。
レシピは、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食の歴史と文化を身近に感じてもらうのが目的だ。
調理方法や材料を現代で再現できるよう工夫
両研究所の発表資料によると、公開されたレシピは江戸時代後期・天明5年(1785年)刊行の料理本「万宝料理秘密箱」(まんぽうりょうりひみつばかお)に記された「卵百珍」107点の中から選んだ卵料理5点。くずし字で記された調理手順を現代日本語に翻訳、調理方法や材料などは現在の家庭でも再現できるよう工夫した。
例えば、当時のスイーツ「冷卵羊羹(ひやしたまごようかん)」のレシピでは、元の材料の「くず粉」を、手に入りやすい「かたくり粉」に置き換えた。調理手順も「容器ごと水で冷やす」を「冷蔵庫で2時間ほど冷やす」などに変更した。このほか、卵と鶏肉のすり身を蒸した江戸のオムレツ「うずら卵」や、卵を使ったかまぼこ「卵山吹蒲鉾」などのレシピが「クックパッド 江戸ご飯」で公開されている。
両館では、最初は公開したレシピが5点だが、「クックパッド」の中の料理を作った人の報告サイト「つくれぽ」で江戸料理の再現が広まり、料理レシピの量が増えることを期待している。