韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の支持率が不可解な動きを見せている。調査会社「リアルメーター」による調査結果では、わずかに上向く一方で、別の調査会社「ギャラップ」の結果では、過去最低を更新した。
ただ、いずれの調査でも不支持率は上昇しており、朴大統領にとっては厳しい状況が続いている。
大統領府の強硬姿勢が一部に好感された
リアルメーターの調査は、11月22~23日にかけて全国の成人男女1519人を対象に実施。朴大統領の支持率は前週よりも0.4ポイント高い10.1%だった。
「スンシルゲート」と呼ばれる一連の政治スキャンダルでは、ソウル中央地検が11月20日、崔順実(チェ・スンシル)被告と元政府高官ら合わせて3人を起訴。検察は起訴状の中で朴大統領がチェ被告らと「共謀関係にあった」と主張。これに対して大統領府(青瓦台)は、検察側の主張を「客観的な証拠を無視したまま、想像と推測を繰り返して作った砂上の楼閣」などと強く反発。一度は朴大統領側は検察の事情聴取に応じる考えを示していたが、一転して拒否姿勢に転じていた。
リアルメーターの分析では、こういった青瓦台の強硬姿勢が(1)大邱・慶北、釜山・慶南・蔚山といった朴大統領が支持基盤としている地域(2)保守層(3)与党・セヌリ党の支持層にうけたとみている。ただし、これらの層の動きが支持率全体に与える影響は1~2ポイント程度。その上、この層ですら「弾劾政局が本格化し、継続的に支持が集まるのは難しい」とみている。
不支持率は前週より0.2ポイント高い86.3%で、過去最高を記録した。
ギャラップ社調査では支持率「過去最低」更新
一方、ギャラップ社が11月25日に発表した11月第4週(22~24日)の世論調査の結果では、朴大統領の支持率は前週よりも1ポイント低い4%だった。朴大統領の支持率は、スンシルゲートが発覚した直後の11月1週から3週間にわたって歴代韓国大統領として過去最低の「5%」が続いてきたが、今回はそれをさらに下回った。
年齢別では、19~29歳、30代が事実上ゼロで、最も支持を集めた60代以上でも9%にとどまった。不支持率は前週より3ポイント高い93%だった。
ギャラップの調査は全国の成人男女1004人を対象に行われた。
11月26日には、ソウルなどで5回目の大規模デモ(ろうそくデモ)が予定されており、全国で約200万人の参加を見込んでいる。