品不足が続くバターについて、テレビ東京の番組「ガイアの夜明け」が農協幹部にインタビューしたところ、その発言内容がツイッターなどで批判される事態になった。しかし、発言の一部が切り取られて広まっていることもあり、「言葉狩りの典型だ」と批判に異論を唱える声も出ている。
ここ数年、バター不足の状態が続いており、政府も、その原因の1つとされる規制の緩和に向けて動き出している。
「『これ、とりあえず買っとけ』とバーゲン行って...」
2016年11月22日夜放送の「ガイアの夜明け」では、そんな中で品不足の背景について切り込んだ。
番組はまず、ここ10年間で家庭用バターの価格が4割近くも上がったことを指摘し、国産バターの9割近くを扱うホクレン農業協同組合連合会(札幌市)に焦点を当てた。ホクレンは、酪農家が作った生乳を買い取る指定団体の1つで、酪農家は指定団体に売らないと政府の補助金がもらえないシステムになっている。
北海道の酪農家とホクレンとの意見交換会が9月下旬にあり、番組では、そこでホクレン職員から出た発言を紹介した。職員は、バターがどんどんなくなると消費者に「買い増し」の心理が働くと意見交換会で話したといい、番組では、これが買い増しを誘っているかのように聞こえたとした。
そこで、意見交換会にも出席したホクレン幹部にインタビューしたところ、この幹部は次のように発言した。
「どんどんどんどん売れていったら、『なくなるぞ』となったら、いるのかいらないのかよく分からないけど、『これ、とりあえず買っとけ』とバーゲン行って買っちゃいますよね」「それ、分かります?」
番組側がこの発言について、バターをあえて品薄にしたという意味なのかと尋ねたところ、幹部は「安定供給というのが大事」「そういうことでない」と否定した。