「安全で無理のない運動を最優先に考えるべき」
「ピラミッド」や「タワー」などの大技を禁止した大阪市では事故件数が激減したほか、組体操の実施を止める学校も増えたという。
市の教育委員会によれば、安全対策に取り組む前の15年度には小中あわせて348校で組体操が行われ、骨折を伴う事故は42件起きていた。だが、今年度には組体操を実施する小中学校225校となり、骨折事故も12件に減少した。担当者は、
「『危険だからやめましょう』という呼び掛けに対し、それぞれの学校が答えて頂いた結果だと思います。ただ、事故の件数が減ったとはいえ、ゼロではありませんでした。これからも引き続き、事故防止の取り組みを続けていきます」
と取材に話した。
また、千葉県流山市では市内の全25校の小中学校が、自主的に16年度の組体操実施を取り止めたという。市教委の担当者によれば、組体操の代わりに表現運動を実施した今年度は、けが人の報告がゼロになったという。
その上で、15年度には組体操によって打撲などのけが人が出る事故が複数件起きていたとして、
「各学校が組体操を実施しなかったのは、児童や生徒にとって安全で無理のない運動を最優先に考えるべきだ、という判断からでした。ですので、けが人が減ったことについては、大変よかったと思っています」
と話していた。