乳がんで闘病中のフリーアナウンサー小林麻央さん(34)が、英BBCが選ぶ2016年の「100人の女性」に日本人として初めて選出された。ブログでがんを公表し、闘病中の経験や思いを率直に発信したことが「多くの人を元気づけた」と評価された。
選出にあたって、BBCは11月23日に麻央さんの手記をサイト上に掲載した。その中で麻央さんは、がんを公表するまでに抱いた葛藤やブログを始めるに至った理由、読者への感謝の思いなど、率直な心情をつづっている。
麻央さんの手記は英語や中国語にも翻訳
BBCが2013年から実施している「100人の女性」は、社会に影響力を与え人々の心を動かした女性を世界中から選び、紹介するもの。今年は11月21日に発表され、がんの闘病記をブログで発信している麻央さんが「Cancer Blogger」として選出された。
BBCに寄せた手記の中で麻央さんは、2014年に乳がんが見つかってから「病のイメージをもたれることや弱い姿を見せることには『怖れ』がありました」と告白。その上で、
「自分自身を責め、それまでと同じように生活できないことに、『失格』の烙印を押し、 苦しみの陰に隠れ続けていたのです」
と深い葛藤の中にあったことを明かした。
だが、病気で「母親として」の仕事ができなくなっても、夫で歌舞伎役者の市川海老蔵さんや子供達は「私を妻として、母として、以前と同じく、認め、信じ、愛してくれていました」。こうした家族の支えが、麻央さんがブログ「KOKORO.」を開設するきっかけとなったという。
続けて、これからの時間をがんに支配されることはやめたとして、
「なりたい自分になる。人生をより色どり豊かなものにするために。だって、人生は一度きりだから」
と前向きな言葉で手記を結んでいる。
こうした手記は英語や日本語、中国語に翻訳され、各国版のBBCサイト上で配信されている。とくに中国語版では、24日正午現在、サイトのトップページの「特別推薦」欄にも選ばれており、大きな注目を集めていることがうかがえる。