細胞をがん化させる新遺伝子を発見 九州大とがん研、治療薬に期待高まる

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   九州大学と国立がん研究センターの合同チームは、2016年11月18日、細胞をがん化させる新しいがん遺伝子を世界で初めて発見したと発表した。

   研究成果は、欧州分子生物学会の機関誌「EMBO Reports」(電子版)の2016年11月17日に掲載された。

   今回、発見したのは「GRWD1」という遺伝子。九州大学の発表資料によると、研究チームは脳腫瘍の約25~30%を占める神経組織のがん「脳グリオーマ」の患者のがん細胞を分析した。がん細胞では「p53」という細胞増殖のブレーキ役であるタンパク質に異常が起こり、がん細胞が増えることが知られている。しかし、一方で「p53」に異常がみられないがん患者も多い。

   そこで、「p53」タンパク質に注目し調べると、「GRWD1」という遺伝子が別のタンパク質と結合し、「p53」タンパク質を減少させ、細胞のがん化を促進していることを発見した。さらに他のがん患者のデータも分析すると、「GRWD1」タンパク質が増えると、がんの悪性度が高まり、患者の生存率が下がることがわかった。「GRWD1」ががん増殖のカギを握っているのだ。

   研究チームでは、発表資料の中で「今後は、GRWD1の発現検査でがんの治療方針を適切に決めることができ、GRWD1を標的とする新たな抗がん剤の開発につながることが期待されます」とコメントしている。

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