関東近郊では三角形のつり革が7割以上
メーカーへの受注数の差だけではなく、実際に運行している車両でも「つり革の地域差」は明確に出ている――。そう明かしたのは、つり革専用の携帯グリップ「GripPon(グリッポン)」を販売している創考テクノ(神奈川県座間市)代表取締役社長だ。
同社は、グリップの開発にあたり三大都市圏を走る全路線の「つり革の形状」を調べたという。その結果について、
「東京など関東近郊では『三角型』のつり革が主流で、確認した範囲では全体の7割以上の車両で採用されていました。ですが、中京地区と関西地区では、圧倒的に『丸型』の割合が多く、三角型はほとんど確認できませんでした」
と社長は説明していた。なお、関東近郊で丸型のつり革を採用しているのは、京急電鉄や小田急電鉄の旧型車両など一部だけだったという。
このように、地域ごとに違いが出たつり革の形状だが、丸型と三角型で機能に差はあるのだろうか。先述の総合車両製作所の担当者は、「どちらが優れているというわけでは決してありません」と話す。
三角型は底が平らなため安定感があるが、丸型は掴む部分がカーブしているので「長くつかんでいると手が疲れてくる」。一方で、乗客の頭にぶつかった際は「丸型よりも、角がある三角型の方が衝撃は大きくなる」など、それぞれの形状にメリット・デメリットがあるそうだ。