65歳以上の高齢者は朝早くワクチンを打とう
インフルエンザワクチンは午前中に接種すると効果が高まるという研究は、英バーミンガム大学のチームも専門誌「Vaccine(ワクチン)」の2016年5月号に発表している。その論文によると、研究チームは65歳以上の高齢者276人を、午前9~11時にワクチンを注射するグループと、午後3~5時に注射するグループの2つに分け、体内で作られる抗体の量を比較した。
すると、午前の方が午後よりはるかに多く抗体が作られることがわかった。その差の割合は、インフルエンザA型~B型の3つのタイプで、それぞれ平均16~293%に達した。一般に高齢者は、インフルエンザワクチンの効果が若い世代の人より出にくい。しかも、インフルエンザにかかると肺炎などの深刻な症状を引き起こしやすい。そこで、研究チームは論文の中で「今回の研究ではワクチンによる副作用はみられませんでした。65歳以上の高齢者は、なるべく朝早くにワクチンを打つよう勧めます」とコメントしている。