「将棋好きアイドル」として活躍しているSKE48の鎌田菜月さんの公式グッズに、インターネット上の将棋ファンから「いろいろおかしい」とのツッコミが相次いでいる。
グッズは、鎌田さんのキャラクターに合わせて「将棋の盤面図」を大きくデザインしたもの。その盤面にある駒の数や置き方が、将棋のルール上「ありえない」状況になっているというのだ。
Tシャツにプリントされた盤面図がおかしい
いまネット上で「ミスだらけ」との指摘が上がっている鎌田さんのグッズは、2016年11月19日に行われたSKE48のコンサートに合わせて販売されたもの。Tシャツとトートバックの2種類があり、どちらにも同じ盤面図がプリントされている。
盤面の状況は詳細にイラスト化されており、上部には「五手詰め」の文字もある。将棋好きの鎌田さんならではのデザインなのだが、その盤上をよく見てみると、いたるところに「おかしい部分」があることが分かる。
まず気付くのは、後手が「二歩」(同じ縦の筋に歩の駒を2枚置く)というルール違反をしている点だ。プリントされた盤面図には「玉将」の前に「歩」の駒が2枚縦に並ぶ形で置かれている。実際の将棋であれば、「二歩」を指した時点で反則負けとなるはずだ。
盤上のおかしい部分は「二歩」だけでない。本来は、先手後手合わせても2枚しかない「飛車(龍)」の駒が、なぜか盤上に4枚もあり、一方で「角(馬)」の駒が存在しない状態になっているのだ。
こうした「ミス」に気付いたネット上の将棋ファンからは、
「二歩はあるし、色々突っ込みどころ多いんだが...眠かったのかな...」
「これ将棋知ってる知らない以前にテキトーに作りすぎだろ」
「印刷した人が龍と馬の区別つかんかったんかな」
といったツッコミが相次いだ。
「将棋を知らない方が作ってくださった」
いったいなぜ、「将棋好きアイドル」の公式グッズにこんなミスが起きてしまったのか。鎌田さん本人は18日のツイッターで、自らが提案したデザインが「スタッフさんにうまく伝わらなかった」ことが原因だと明かしている。
フォロワーから「二歩」について指摘された鎌田さんは、「把握済みですがどうしようもない状態」と返信。その上で、
「将棋を知らない方が作ってくださったようでね。何度も訂正を入れた末でして...残念ではありますがこれも記念さ」
とミスが起きてしまった理由をファンに説明していた。
なお、このグッズの盤面については、棋士の大平武洋六段が18日のツイッターで詳しい解説を寄せている。大平六段は、この局面が16年8月に催された『第2期将棋ウォーズ棋神戦』という大会のエキシビションマッチで鎌田さんが指した一局と「似ている」と指摘。
続けて、「盤面を正確に作るのって結構大変なんですよね」とした上で、
「たぶん、12にいる歩を香車に変えて、その隣の銀を23に動かして、53の駒を馬にして、あと歩の数が合えば、将棋ウォーズで指した局面になるかなと思います」
としていた。