10年前の淫行騒動を十分に反省したとして、吉本興業がお笑いコンビ「極楽とんぼ」の山本圭壱さん(48)を復帰させると発表し、ネット上などで賛否両論が起きている。
「芸能界を離れて10年間十分に反省したと受け止められましたので、復帰を決めました。本人が復帰したいという強い希望があったこともあります」
「普通の会社であれば、まずあり得ない」
よしもとクリエイティブ・エージェンシーの担当者は2016年11月21日、J-CASTニュースの取材に対し、こう復帰の理由を説明した。「今後も反省を続けていき、ご意見やご批判を受け止めて、真摯に向き合っていくことになると思います」ともしている。
山本圭壱さんは06年7月、北海道函館市内で当時17歳の少女にお酒を飲ませて性的暴行をした疑惑が持ち上がり、吉本から契約を解除された。その後、示談が成立して不起訴処分になったが、芸能界復帰はなかなか進まなかった。
ようやく15年に入って単独ライブを始め、16年7月にはフジテレビ系「めちゃ×2イケてるッ!」でテレビ出演を果たした。16年9月からは「極楽とんぼ」としてのライブをスタートさせ、11月20日のファイナル公演後に吉本から復帰が発表された。
報道によると、山本さんはその10日ほど前に、相方の加藤浩次さん(47)と吉本の大崎洋社長の3者で話し合い、大崎社長から「戻ってくるか?」と言われて復帰が決まったという。
発表を受けて、ツイッターなどでは、ファンらから「頑張れ!!待ってる!!」などと激励の声が上がった。一方で、「普通の会社であれば、まずあり得ない」「山本では笑えない気がする」「そもそも若い子この人知ってる?」といった厳しい声も多かった。
また、「吉本復帰」をNHKまでもがニュースとして流したことについて、「何故NHKはこれを取り上げるのか」との指摘も出ていた。
スポンサーがどう出るか
吉本興業が山本圭壱さんを復帰させた事情について、芸能評論家の肥留間正明さんは、次のように見る。
「淫行や性犯罪は、タレントにとっては致命的なことです。吉本も、喜んで山本さんを復帰させたのではないと思います。本当に必要な人なら、2~3年で戻ってくるはずです。山本さんは、周りの芸人の応援があったからこそ、10年かかってやっと復帰できたのでしょう」
ただ、その活動環境について、肥留間さんはこう言う。
「テレビ局はOKしたとしても、スポンサーが嫌がります。テレビにはなかなか出られないでしょうし、CMはまず入ることはないと思いますよ。テレビで1、2回お付き合いをする人はいるとは思いますが、それ以上は関わりたくないのでは。復帰が決まっただけで、未来は明るくないと思います」
山本さん自身についても、苦言を呈した。
「チケットが完売したと言っても、それは話題性で客を集めただけのように感じます。山本さんは、小さな演芸会をコツコツ続けるといった苦労の跡が見えませんね。芸を磨いていくのではなく、テレビに出ることしか考えていないように思えます。地に足が着いていないのではないでしょうか」
よしもとクリエイティブ・エージェンシーによると、テレビからのオファーはまだ来ていないといい、ライブなども含めて、今後の出演については未定だとしている。