相続税節税「サブリース」に群がる業界 マイナス金利で増えるアパート経営

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銀行は労せず融資を伸ばせる仕組み

   とはいえ、そもそも少子高齢化による人口減少や、空き家や空室が増加しているというのに、どうしてアパート経営に乗り出す個人が増えているのだろう――。

   ここ数年、個人、とくに高齢者にアパート経営を熱心に勧めているのが、「サブリース」(転貸し)の仕組みを使っている不動産業者とされる。不動産業者が個人(オーナー)から土地・建物などを、転貸しを目的に一括して借り上げ、運営・管理を引き受ける賃貸システムで、テレビCMでもおなじみの「30年、一括借り上げ」などがそれだ。

   オーナーにとっては、不動産業者が物件を一括管理してくれるので、アパート管理の知識やノウハウがなくても賃貸物件を建築することができ、また部屋を借りる人を探して契約する手間が省け、さらには空室分の家賃収入を保証してもらえるといったメリットが見込める。

   そのため、アパート経営が誰でも簡単に、安心してできると、利用するオーナーが増えているという。

   一方で、トラブルも絶えない。サブリース被害対策弁護団の増田祐一弁護士は、「今年に入って、(サブリースをめぐる)高齢者のトラブルをマスコミが取り上げたこともあってか、相談件数が増えています」という。

   相談の中には、「建築契約を結んでしまったが、考え直したい」「契約を解消したいが、着手金は戻ってくるか」といった契約直後のものや、すでにアパート経営をしている人から、「賃料を減額された」「家賃保証なのに、おかしい」などの相談が寄せられているという。

   増田弁護士によると、「契約のきっかけは、不動産業者の営業担当者による訪問勧誘がほとんどで、個人が自ら進んでアパートを経営しようと、銀行へ相談に行くようなケースは稀です」と話す。

   銀行のアパートローンは、不動産業者と業務提携している銀行が資金を用立てることが多く、不動産業者との契約を結んだ段階でアパートローンが組まれるようになっていている。銀行が労せず融資を伸ばせることも、貸出残高が伸びる背景になっているようだ。

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