ボジョレー・ヌーボー、実は輸入量激減 ワインが日常に定着して...

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   2016年も、ボジョレー・ヌーボーが解禁された。

   ボジョレー・ヌーボーは、その年に収穫されたブドウで造られた新酒で、毎年11月第2木曜日(今年は11月17日)が解禁日。その日にはレストランやワインバーなどで試飲会などのイベントが開かれる、お祭り騒ぎになる。ところが、その輸入量は年々減っており、2004年のピークから約4割も減ってしまった。

  • 「ボジョレー・ヌーボー」の輸入量、ピークから、ほぼ半減に(写真はイメージ)
    「ボジョレー・ヌーボー」の輸入量、ピークから、ほぼ半減に(写真はイメージ)
  • 「ボジョレー・ヌーボー」の輸入量、ピークから、ほぼ半減に(写真はイメージ)

2004年のピーク時からほぼ半減

   「ボジョレー・ヌーボー」は、軽い味わいで渋みがほとんどなく、やさしい口当たりで、はじめての人でも飲みやすいワインとされる。縁起がいいと「初物」好きでイベント好きの日本人の心をくすぐり、季節の楽しみとして、すっかり定着している。

   ふだんワインを飲まない人も、ボジョレー・ヌーボーをきっかけにワイングラスを手にするようになった。バブル景気の頃には、解禁日の午前0時を迎えると、カウントダウン・パーティーがレストランやワインバーで開かれて大いににぎわった。

   本国・フランス以上に日本での人気は高く、日本は輸入量第1位で、全生産量の約4分の1を占めているとされる。

   ただ、日本の輸入量は減少傾向にある。傘下にワイン大手のメルシャンをもつ、キリンによると、2015年の輸入量は前年比8.5%減の56万ケース(1ケースは750ミリリットル×12本換算)と、ピーク時の2004年に比べて41.7%減と、ほぼ半減した。

   「100年に1度のでき」とうたわれた2003年には店頭からボジョレー・ヌーボーが消え、その翌年は輸入量が大きく伸びたが、その後は年々減少。2012年には74万ケースに盛り返したものの、再び減少傾向をたどっている。

   2016年の輸入量(見込み)は、前年比で4%程度減少するとみている。

   輸入量が減少する背景を、キリンは、「一時期のブームではなく、日本人の11月の旬なイベントとして定着した結果ではないかと考えています。日本のワインの消費量自体は、7年連続で伸長していますし、ワインを飲む文化が浸透していきているとも言えます」と話す。

   ボジョレー・ヌーボーのおかげで、ワインファンは増えたが、日常的にワインを飲む人が増えたことで、年に1度の解禁日はかつてほど盛り上がらなくなった。そのため、輸入量も減っているということらしい。

   キリンは「手軽な価格帯だけでなく、高価格帯のボジョレー・ヌーボーのラインアップも増えています。市場が成熟化したことで、お客様の選択の幅も増えていると考えています」と、品揃えを充実して販売に力を注いでいる。

姉妹サイト