ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を運営するロイヤルホールディングスは2017年1月までに、全店舗で24時間営業を完全に廃止する。
従業員の労働環境を改善したい、ランチやディナーで高品質の料理・サービスを提供したい、という理由から営業時間短縮を進めてきた同社。ネットでおおむね「英断」と受け止められている今回の決定だが、「サービス中毒の人は少なくない」と懐疑的な声も少なくない。
ランチやディナーの時間帯に人員を集中配置
ロイヤルホールディングスは2011年ごろから、全店舗で営業時間の見直しを進めてきた。同社の経営企画部は2016年11月18日、J-CASTニュースの取材に対し、「ランチタイムやディナータイムといったお食事をされる時間帯にしっかりと人を配置し、お客様にコックがひと手間かけてつくる美味しい料理とおもてなしのサービスを提供していくことと、また従業員には働く環境を良くしていく、という取組みを進めています」とその理由を説明した。
18日現在、24時間営業を実施しているのは、全223店舗中、すでに東京都と大阪府の2店舗だけになっていて、17年1月までに廃止する予定だ。
今回の決定は従業員にもおおむね受け入れられているようで、「営業時間の短縮を図り、多くのお客様が来店するランチやディナーの時間帯に良い状態でお客様をお迎えできるなど、内部環境の充実を進めていく考え方に理解をしていただいています」という。 24時間営業を廃止する代わりに、同社はランチやディナーの時間帯に人員を集中配置する。
利用者に衝撃広がる
ファミリーレストランチェーンの「24時間営業の廃止」にネットでも衝撃が広がっている。本件が朝日新聞などに報じられると、ツイッターで
「英断だ。さあみんな続け」
「健全だ。素晴らしい」
「ファミレスが24時間やってる必要はない」
と同社の決定に対する応援の声が続々寄せられた。
一方、
「企業よりも消費者次第のような気がするんだ...サービス中毒の人は少なくない」
「時給が良いから夜中働いてるやつも世の中にはいる」
「夜働いてる人からすると悲しい」
と従業員、来店客双方の立場から「残念」という反応も提示されている。
ファミリーレストランと業態は違うものの、居酒屋チェーンの「磯丸水産」は全店舗で原則24時間営業を貫き、業績を伸ばした。
「磯丸水産」の店舗を運営するSFPダイニングの佐藤誠社長は東洋経済オンラインの記事(14年12月18日付け)で「都心では飲食店や病院など夜間に働く方が明け方に訪れる。郊外では24時間営業の飲食店がなく、店を開け続けることが差別化になっている」と24時間営業のメリットを語っている。