マエケン新人王落選にみる大リーグの大いなる矛盾

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日本プロ野球は3A格

   実はかなり前からこんな見方がメディアの中であった。

「高額契約で日本のプロ野球からやってくる日本人は新人の資格があるのだろうか」

   これまで新人王になったのは野茂英雄(13勝)佐々木主浩(37セーブ)イチロー(打率3割5分)。野茂は無名新人並みの年俸だったが、その他は高額年俸である。その後、15勝の松坂大輔、16勝のダルビッシュ有、13勝の田中将大はことごとくはじかれた。

   確かに何十億の契約で大リーグ入りした日本選手は、いわゆるボーナスベビーの新人をはるかに超える条件であり、素直に新人といえないかもしれない。それならば規定を設けて新人にあたらないとすればいい。

   そんな高額新人を新人王候補枠に入れているのは、大リーグは日本プロ野球を「3A格」と位置付けているからである。新人資格を与えないとすると、日本をメジャーと同格と認めることになる。そこはプライドが許さないのだろう。

   その半面、イチローの記録に見られるように、日米通算記録で大々的に取り上げている。大いなる矛盾ではないかと思う。

   大リーグの記者投票は昔から首をかしげる結果が多い。天才選手のテッド・ウィリアムスなどは三冠王になってもMVPから落とされた。「ウィリアムスはマスコミと敵対関係にあった」からというのが定説になっている。要するに投票記者の好き嫌いが票に反映されるからである。人間らしい話といえばそれきりなのだが...。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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