現状は不動産バブルなのか 上半期融資が「バブル期」超え

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「バブルとは言えない」

   そうしたなか、「バブル再来」の兆しはあるのか――。前出のみずほ証券の石澤卓志氏は「個人的な見解」と断ったうえで、「現状は、バブルの状況に近づいてはいますが、バブルとは言えません」という。

   不動産市況をみる場合、最近は賃貸物件の利回りを重視する傾向にある。「利回りが3.4%を下回ると採算がとりづらくなるといわれるなかで、東京・丸の内や大手町界隈は現行で3.5%程度。イレギュラーで高いところ、つまりバブルのところもありますが、全体的には落ち着いているといえます」と、石澤氏はその理由を説明する。

   バブル全盛期には、転売目的の「イレギュラーな物件」が増えたことで不動産価格が高騰したが、最近はJ‐REITをはじめ、賃貸を目的とした不動産ファンドが多い。「(ファンドは)きちんと情報を公開していますし、銀行も貸出先の経営内容をしっかりみています。今のところ、バブルのような過熱感はありません」と話す。

   また、アイビー総研の関大介氏は、「金融緩和政策で、REITは日銀も買っていますからね。不動産市場が崩れて困るのは日銀も同じです」と指摘。現状、全体的には「REITの財務状況に問題はありません」と話す。

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