ショウガ料理にチリペッパーががん予防の食事療法
遺伝子操作で肺がんになりやすくしたマウスを使い、カプサイシンとジンゲロールが、それぞれがんの発症に与える影響を調べた。マウスを次の3つのグループに分け、20週間エサを与え続け、観察した。
(1)カプサイシンだけを含むエサを食べるグループ。
(2)ジンゲロールだけを含むエサを食べるグループ。
(3)カプサイシンとジンゲロールの両方を混ぜたエサを食べるグループ。
その結果、カプサイシンだけを食べたマウスは全員肺がんを発症した。ところが、ジンゲロールを食べたマウスは半数の50%だけが肺がんを発症した。そして、カプサイシンとジンゲロールの両方を食べたマウスは、わずか20%しか肺がんを発症しなかった。カプサイシンとジンゲロールの食べ合わせが、相乗効果を生み出し、がんリスクを8割も食い止めた。
肺がんを引き起こした細胞の病理組織を調べると、カプサイシンだけの細胞は炎症を起こしていたが、ジンゲロールを併用した細胞は炎症が抑えられていた。なぜ、そうなるのかは論文では明らかにされていないが、ゲン博士は論文の最後で誇らしげに「ショウガ料理にチリペッパー(赤トウガラシの粉末スパイス)を豊富に加える食事療法を長く続けることが、がんの発症を下げるという貴重な情報を提供することができました」とコメントしている。