「医師が取り調べ中に死んだのは暴行」 奈良県警に告発状を出した法医学者

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自傷行為か、警察の暴行か

   テレビ朝日系ニュース「ANN」の16年11月15日の報道によると、県警側は遺族が起こした訴訟の裁判で、男性医師は、留置場でいつも体の右側から落ちるように座り、そのままあぐらをかいているので、床に打ちつけられた右足が圧迫されて内出血したとの見方を示したという。

   その他メディアの報道でも、県警は、右足は床で打って出血したものだとして、男性医師への暴行を否定したとされている。頭部の損傷は、転倒して打撲したもので、胸部の内出血は、救急隊の心臓マッサージによるものだと説明したという。出羽教授からの告発状については、受理するかどうかを今後検討するという。

   出羽厚二教授は、17日のJ-CASTニュースの取材に対し、県警の主張とされることについて、次のように反論した。

「常識で考えて、床で打ったならおしりも打ちつけるはずですが、そのような跡はありません。右足全体が出血しており、どう考えてもおかしいと思います。胸の出血は、救急隊によるものというのもあり得ないでしょう。警察は亡くなった翌日夕方に司法解剖を行っていますが、その前にマスコミに死因を明かし、留置管理室がコメントしています。右足の写真も、裁判で『写真の番号が飛んでいるのはおかしい』と指摘して出てきたものです。警察は、隠しているとしか思えないですね」

   男性医師が自傷行為をした可能性については、「それは否定できませんが、自傷や自殺を許したとしたら、留置管理に問題があることになります」と言う。本人が警察側に挑発的な態度を取ったことはあるかについては、「それは一切分かりませんが、遺族に話を聞きますと、気が弱くおとなしい人だそうです」と話した。さらに、「警察は、患者が死亡した事件を傷害致死として立件したかったが、証拠がないと検察側に止められたとの報道が出ており、フラストレーションがたまっていたのかもしれません。自白させるために、本人の気の弱いところを狙われたのでしょう」とも言っている。

   奈良県警の広報課は、J-CASTニュースの取材に対し、「基本的に記者クラブ加盟社だけに取材に答えている」としている。

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