死亡率30%のインフル脳症が猛威 ワクチン接種しても発病阻止率3割

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   2016年冬のインフルエンザは、過去7年で最も早いペースで流行期を迎えている。

   特に今シーズンは、死亡率が約30%に達し、6歳以下の乳幼児が発症しやすいインフルエンザ脳症が猛威をふるう恐れがあり、早めのワクチン接種など予防策を徹底する必要がありそうだ。

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朝に発熱したら夜は人工呼吸器を装着する幼児も

   厚生労働者が2016年11月11日に発表した患者報告速報を見ると、10月31日~11月6日の1週間(第44週)に定点医療機関を受診した患者数は、定点当たり0.59人となり、前週の0.47人から一挙に増加した。同時期としては過去7シーズンで最も多く、また昨年と比べ8週も早いペースで増加している。報告数が最も多かったのは沖縄県(10.86人)で、次いで福井県(2.44人)、栃木県(1.66人)と、流行開始の目安である1人を超えた。続いて北海道(0.97人)、岩手県(0.91人)、茨城県(0.71人)、埼玉県(0.65人)となっている。

   昨シーズンはインフルエンザ脳症が多発したが、国立感染症研究所の11月5日の発表によると、早くも茨城県で第40週(10月3日~9日)にインフルエンザ脳症の発生が報告されている。インフルエンザ脳症は、朝に発熱したら夜は人工呼吸器を装着していた例が珍しくないほど急激に重症化する。血管が詰まったり、多くの臓器が働かなくなったりして命を落とす子どもが多い。

   日本小児神経学会のウェブサイトを見ると、こう説明している(要約抜粋)。

「インフルエンザで最も重い合併症がインフルエンザ脳症です。死亡率は約30%で、後遺症も約25%の子どもに見られる重篤な疾患です。毎年100~300人の子どもが発病し、1歳をピークに6歳以下の乳幼児が発症しやすいという特徴があります。発熱から数時間~1日と、神経症状が出るまでの期間が短く、主としてけいれん・意味不明な言動・急速に進行する意識障害が見られます」

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