「新ビッグ3」時代の到来を思わせる試合だった。サッカー日本代表は2016年11月15日、埼玉スタジアムでロシアワールドカップ(W杯)アジア最終予選第5戦をサウジアラビア代表と戦い、2対1で勝利した。グループB1位のサウジアラビアとの一戦で勝ち点3を手にした。
スターティングメンバ―には11日のオマーン戦2得点のFW大迫勇也(26)、最終予選3戦連続ゴール中のFW原口元気(25)、トップ下にはMF清武弘嗣(27)が名を連ねた。右ウイングには4年ぶり招集のFW久保裕也(22)が選ばれ、MF本田圭佑(30)とMF香川真司(27)は先発を外れた。
最終予選4戦連発の原口元気
試合が動いたのは前半43分、清武が放ったシュートは相手選手に防がれたが、主審はこれにハンドの判定を下した。リプレイが流されると、シュートが当たったのは胸か腕か微妙だったのが確認でき、サウジアラビアの複数の選手が主審に詰め寄って猛抗議をするも覆らず。PKを清武が決めて先制点を挙げた。
後半開始から久保に代わって本田が投入される。試合は、前半に引き続いて清武、原口、大迫の3人を軸に攻める。
追加点は後半35分に生まれた。DF長友佑都(30)が左サイドからグラウンダーのクロスを入れると、途中出場の香川が軽く触り、その背後にいた原口が落ち着いて相手ゴールへ流し込んだ。原口は最終予選4戦連続ゴールとなる好調ぶりを見せた。
2点差で盤石の勝利かと思われたが簡単には終わらなかった。後半45分、相手シュートを長友がゴールラインギリギリでクリアしたように見えたが、これにゴールの判定が下された。ゴールラインを真横から捉えたVTRが放映されたが、長友とカメラの間にDF酒井宏樹(26)が入り込んでおり、ボールがラインを割ったかどうかははっきりと確認できず。ゴール内のカメラからの映像ではゴールラインを割っているように見え、そのままゴールとなった。
さらにあわや同点の場面は後半50分、日本の左サイドからのクロスボールでヘディングシュートを撃たれる。しかし、GK西川周作(30)が横っ跳びでガッチリとキャッチし、難を逃れた。
「本田・香川・長友のチームから脱却」?
試合はそのまま2対1で終了。ヴァヒド・ハリルホジッチ監督(64)が「最も大事な試合」と話していた試合で日本は勝ち点3を手にし、サウジアラビアと並んで勝ち点を10に積み上げた。この試合、日本は19本のシュートを浴びせ、6本のコーナーキックを得るなどの攻撃を見せた。その中心となったのは、大迫、原口、清武の3人を挙げる声がツイッターで数多く出た。
「攻撃の核としての大迫、清武、原口がビッグ3になってしまった試合だったな。 これからもこの三人中心でいいよ」
「原口、大迫、清武上手すぎ!!」
「大迫キープからの清武・原口素晴らしい」
「原口、大迫、清武には10点満点の8点以上の活躍あったな」
逆に厳しい評価を受けたのは、ともに途中出場した本田と香川だった。
「本田、香川要らないんじゃ?」
「清武と原口に大迫と、結果を出している3人がいいリズムをつくっていますね。本田・香川のチームから清武のチームに脱却、過渡期を迎えましたかね」
「大迫、清武、原口、最後まで良い動きでした!香川や本田に頼る事もなく、新しい代表が見れたと思う!」
「本田と香川の劣化が著しくてびっくりした。大迫、原口、清武がキレキレでスピードもあるから余計にトロトロしてるように映った」
起用法をめぐっては
「本田・香川は当分の間はああいう使い方でいいのかも。経験がある分、途中からでも試合の流れに乗れる。大迫、清武、原口は当分の間は固定でもいいと思う」
という意見も出ている。
長らく代表の中心となって牽引してきた本田、香川、長友に代わり、ロンドン五輪世代の大迫、原口、清武が「新ビッグ3」となるのか。