漫画家の高井研一郎さんが2016年11月14日、肺炎のため都内の病院で死去した。79歳だった。
代表作「総務部総務課山口六平太」(原作・林律雄氏)は1986年に「ビッグコミック」(小学館)で連載がスタート。以来、30年にわたり多くの読者に愛されてきた。
「サラリーマンの応援歌」として人気呼ぶ
主人公・山口六平太は自動車メーカーに勤めるサラリーマン。見た目はさえないが、社内で起こる難問を次々と解決していく「スーパー総務マン」だ。人情味あふれるストーリーが幅広い世代から支持され、「サラリーマンの応援歌」とも呼ばれた。88年にはNHKで連続ドラマにもなっている。
11月10日発売の「ビッグコミック」に掲載された第731話で最後になるという。単行本は30日に第80巻が発売される。
突然の訃報を受け、インターネット上には追悼コメントが相次いでいる。言及が多いのはやはり六平太に関するもので、未完のまま終了することに対しては
「六平太の結婚式見たかった」
「あのキャラクターたちがもう動かないのかと思うと寂しい」
「六平太社長になるんじゃなかったんですか!」
との声が目立つ。
また、
「自分も六平太みたいに立ち回りたいと思っていて、今でもお手本です」
「こんな人が友達や同僚や先輩や上司にいてくれればいいなと思ってました」
と、主人公への思いをつづるファンも少なくない。
「三日前までネームを切っていた」
長崎県立佐世保商業高校の後輩でもある漫画原作者の鍋島雅治氏は14日、フェイスブックで「本日、11時59分に漫画家の高井研一郎先生が亡くなられました。ボクが病室に駆けつけた時は12時10分でした」と報告。
「三日前までネームとスケジュールを切っていたそうです」とも伝え、「最期までカッコいいじぃさんでした。憧れでした」と高井さんを偲んだ。
高井さんは長崎県佐世保市出身。1956年に少女マンガ「リコちゃん」でデビューした。他の作品に「プロゴルファー織部金次郎」(原作・武田鉄矢さん)、マンガ版「男はつらいよ」(原作・山田洋次さん/脚色・林律雄さん)など。赤塚不二夫さんの「おそ松くん」のキャラクターデザインに携わったことでも知られる。