社長「看板にはこだわらない」
そんなワタミを、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」(WBS、2016年11月10日放送)が取り上げ、ワタミの「業績回復のワケ」を清水邦晃社長に聞いた。「低価格」が売りものの新業態、「ミライザカ」や「三代目鳥メロ」の好調の背景に、アベノミクスの失速に伴う利用者のデフレ感に加えて、看板に「ワタミ」の名前を隠して運営していることがあるように報じられた。
たしかに、「ブラック企業」という、ネガティブなイメージがつきまとう「ワタミ」の看板よりも、その名前を隠したほうが店に入りやすいかもしれない。清水社長も、2015年11月の15年9月中間決算の記者会見で、「(「和民」などの)看板にはこだわらない」と話し、「店舗の3割は(他の店名に)転換していく」と、積極的な業態転換などで事業をテコ入れする考えを示していた。
インターネットには、テレビを見た人からだろうか、
「オシャレ系のダイニングバーとかは見抜くの難しいけど、居酒屋系はなんとなくわかるんじゃない?居抜きとかあるし...」
「メニューとか酒とかみれば、あの系列かなって想像できる」
「知らんかった。『TGIF』ってワタミなんだ」
「隠れワタミにきをつけろ! ってこと?」
といった声がある。
その半面、
「これってなんか悪いん? ファミレスだって、和食や寿司、中華とかって業態ごとにいっぱいあるじゃん」
「これ。どこでもやってますけど...」
と、番組での取り上げ方に違和感を覚えた人もいたようだ。
2016年11月14日、J‐CASTニュースがワタミに取材したところ、ワタミは、
「業態転換に力を入れていることは間違いありませんが、居酒屋事業から撤退することは考えていません。この中間期の業績がよかったのも、『和民』や『わたみん家』の既存店売上高が前期比1.8%伸びたことが大きかったからです。まだまだお客様のニーズは少なくなりません」
と説明。居酒屋の看板から「ワタミ」の名前をなくしたり、「脱・居酒屋」に向かっているわけではないと否定する。