故障と5度の最多暴投で安定を欠く
4年後の2003年、自由枠(現在はない)でダイエー入団。初志を貫いた。翌年から3年連続2ケタ勝利。奪三振のタイトルも取った。
しかし、07年の25暴投を含む5度の最多暴投が示すように、荒っぽい投球が安定感を欠いた。そのうえ故障が足を引っ張り、勝てなくなった。14年にヤクルト移籍。今季は6試合に登板、1勝2敗。二軍でも勝ち星なしの7敗。かつての力強いピッチングを失っていた。
トライアウトは打者3人と対戦。すべて抑えた。
「今日で終わってもいい、と思って投げた。悔いなく投げることができた」
投げ終わった感想である。
プロの世界はとてつもなく厳しい。若い頃の新垣を知る者にとって、トライアウト参加は意外な出来事である。本人もそう思っているのではないか。
高校時代、ともに争った松坂も無残な姿で、再起へ必死の挑戦中だ。それでも億の年俸を保障されてソフトバンクに在籍している。新垣が1位指名されたチームにである。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)