大人のバレエ:40代で始めても効果抜群 姿勢がキレイになり開脚ペッタリも

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   女性なら、小さい頃にバレリーナに憧れた人が多いのではないだろうか。女の子の習い事というイメージが強いバレエだが、健康や美容のために40代からバレエを始める人が増えている。

   バレエの基本動作には、ほかのスポーツにみられない筋トレ効果があり、最近、高齢者の間で問題になっている「ロコモ」を予防するとして、専門医の学会が推奨している。

  • 40代から初めてもこれくらい開脚が可能?
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米国学会が「ロコモ予防」の最強エクササイズと推奨

   「ロコモ」とはロコモティブシンドローム(運動機能障害症候群)の略称だ。筋肉や骨、関節などの組織が弱って、「立つ」「歩く」といった基本動作が難しくなり、「要介護」の一歩手前までいく状態をいう。2010年の厚生労働省研究班の調査によると、運動不足などが原因で全国に「ロコモ」予備軍が約4700万人もおり、40代男女の5人に4人が予備軍だとわかった。

   2016年10月27日、米国整形外科学会は機関誌「AAOS」で、「ロコモ予防のために全国民にバレエを推奨する」という声明を発表した。発表資料によると、バレエはすべての年齢層で関節の可動域を広げ、筋肉を強化することに役立ち、ロコモの予防にはあらゆるエクササイズの中で最も優れているという。アメフトのプロ選手の多くがケガの予防のためにバレエエクササイズを取り入れていると強調した。同学会のスポーツ医学専門医のニコライ・ディヌビール医師は、バレエの効用をこう説明する。

   「ほとんどのスポーツ競技は、特定の運動を行ない、特定の筋肉を使うため、体の不均衡を生みだします。だから運動選手の多くは体のバランスが悪くなり、ケガにつながるのです。しかし、バレエにはこれらの不均衡を是正し、体を柔軟にして体幹を鍛え、体のバランスをよくするプログラムが盛り込まれています。効率よく体力がつくばかりか、ケガの防止に役に立つのです」

   そして、バレエの素晴らしさとして具体的に次の点を上げた。

(1)バレエのストレッチは関節をやわらかくし可動域を広げるため、体の年齢が若返る。また、何よりバレエの動きは体重の移動が中心のため、器具を使わないでスムーズに筋肉トレーニングができる。
(2)ダンスには静止したり、ジャンプしたり、様々な動きがあり、筋力を高めると同時に、どのスポーツにも必要なバランス感覚と筋肉全体のコントロール能力を養うことができる。また、動きがやわらかいため、筋肉がゴムのように強靭な弾力を持ち、ケガをしにくくなる。
(3)バレエは体幹が強くなるため、姿勢が良くなり、背中や腰、肩、膝の痛みを防ぐことに役立つ。特にバレリーナが膝の靭帯を負傷するケースは、野球やバスケットボールなど球技の選手よりはるかに少ないという報告がある。
(4)バレエで最初に練習する基本ポーズには多くの筋トレ効果がある。たとえば、かかとを床につけたまま膝を曲げる「プリエ」や、つま先立ちの「ルルベ」は、膝、足首をはじめ足全体を強化する。片足を後ろに上げる「アラベスク」は、臀部や体幹の深層筋を鍛える。また、「ジャンプ」はバランス感覚と敏捷(びんしょう)性を養う。

   このように、バレエにはケガを予防しながら筋力を高める効果があるため、ディヌビール医師は特に中高年に勧めているが、最初はベテランのバレエ指導者から学ぶようアドバイスしている。

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