ニュージーランド(NZ)南島で2016年11月13日夜(日本時間)に起きた地震をめぐり、日本国内でも「怖い」などと不安の声をネット上に書き込む人が相次いでいる。NZでは11年2月にも大規模な地震があり、その17日後には東日本大震災が起こったからだ。
16年11月14日夜には、月が地球に最も近付いた状態で満月になる「スーパームーン」が観測される。今回ほど月と地球が近づいた状態でのスーパームーンは68年ぶり。スーパームーンをめぐっては、一部では地震の発生と関係あると指摘する学者もあり、ネットで不安が強まる一因になっているようだ。
東日本大震災の8日後にはスーパームーン観測
今回のNZの地震のマグニチュード(M)は7.8で、震源はクライストチャーチの北北東約93キロ。震源の深さは約23キロと推定されている。現地報道によると、少なくとも2人の死亡が確認され、余震も続いているという。
NZでは11年2月、クライストチャーチ付近でM6.3の直下型地震が発生。日本人留学生28人を含む185人が犠牲になった。その17日後の3月11日にはM9の東日本大震災が発生。その8日後の3月19日にはスーパームーンが観測されている。スーパームーンをめぐっては「月が地球に接近すると、その引力で地球が引っ張られる」などとして、一部には地震の発生と関連付けて論じる向きもある。
11年のNZ地震と東日本大震災の科学的な関連は必ずしも明らかになっていないが、時期が近かったということで関連を疑う人も多いようだ。11年の地震と比べて今回の地震の方がマグニチュードの値が大きいことも影響しているようだ。ツイッター上では、16年11月14日午後の時点で、
「5年前はNZの地震の後、東日本大震災が来た。それを思い出す。怖い」
「NZの地震の後に東日本大震災が来たので、私の中では最大級の警戒体制に入りました。」
などといった投稿が頻発している。
日本の地震との関連は低い?
今回のNZの地震の前には、11月11日に熊本で震度4、12日早朝には岩手県南部と宮城全域で震度4を観測する地震が起きている。一連の地震を、夕刊フジが12日発行の紙面で「スーパームーンとの関連は?」という見出しで報じている。国内でも地震が相次いでいる上、NZ地震とスーパームーンという要素も加わり、不安を感じる人が多いようだ。
武蔵野学院大学の島村英紀・特任教授(地震学)は14日、J-CASTニュースの取材に「日本とニュージーランドは1万キロ以上離れている」として、11年、16年ともにNZ地震と日本の地震との関連には否定的だ。ただ、断層にエネルギーがたまっているなどした場合、スーパームーンによる引力の変化が「最後の一押し」になって地震が起きる可能性もあるとみている。今回のNZ地震も、スーパームーンが引き金になった可能性を指摘している。