NTTドコモは2016年内をめどに従来型携帯電話(ガラケー)のインターネット接続サービス「iモード」に対応した機種の出荷を終了することを決めた。ネット接続できる世界初の携帯電話として登場し、日本独自の進化を遂げたことで「ガラケー」と呼ばれるようになったフィーチャーフォン端末の時代が終わることになった。
NTTドコモが11月上旬、「ドコモケータイ(iモード)は11~12月を目途に出荷終了し、在庫限りで販売終了いたします」と発表した。出荷終了はガラケー向け部品の調達が難しくなり、生産を継続できなくなってきたからだ。
スマートフォンの普及に押される
ガラケーの新モデルは、2015年11月に発売されたパナソニックの「P-01H」を最後に投入されていない。スマートフォンの普及によってiモード対応ガラケーの存在感が低下したことも、出荷終了を判断した理由の一つとみられる。
iモードは1999年に登場し、ネット接続できる世界初のサービスとして携帯電話の普及を後押しした。契約数は2009年に約4899万まで増加したが、iモード向けに開発されたページしか表示できないのに対し、自由にネット接続できるスマホが日本国内でも急速に普及すると、契約は2016年9月末には1742万にまで減少していた。
ただ、今後もiモードのサービスそのものは継続されるため、ユーザーも引き続き利用できるという。また、「ドコモケータイをお求めのお客様にはドコモケータイ(spモード)をご用意しております」(NTTドコモ)として、ガラケーと見た目が変わらないAndroido搭載モデルでspモードに対応する携帯電話、いわゆる「ガラホ」の出荷は続ける。
一方、現在販売されているiモード対応ガラケーは6機種あるが、このうち操作が簡単な「らくらくホン」は高齢者からの支持が根強く、当面の間は販売するという。
このニュースを受け、ネット上では「ガラケーやめないで」「スマホ乗り換えを考える時が来たってこと?」「ガラホとガラケーはまったく別物」「一つの時代が終わった」などとガラケーの出荷終了を惜しむ声が並ぶ。その一方で「高齢者もスマホを使う時代になっていて、ガラケーは必要とされなくなった」「ガラケーというより、ガラケー向けの安い料金プランが消えることが残念」といった意見も出ている。