永谷園の「お茶づけ海苔」シリーズの名物おまけ「東海道五拾三次カード」が、約20年ぶりに復活を果たした。カードが付属するのは、2016年11月出荷分から。
多くのコレクターを生んだ「名物企画」の再開に、ネット上では「集めてたなあ」と懐かしむ声が相次いでいる。一方で、企画が1997年に終了したこともあり、若者からは「まったく知らん」といった反応も目立つ。
「200枚ぐらい持ってた」「全セット集めたなあ」
永谷園が、お茶づけなどの主要商品に「おまけ」を付け始めたのは1965年から。今回復活した歌川広重の「東海道五拾(十)三次」を第1弾に、世界各国の芸術作品を印刷したカードを製品に封入する企画を約32年にわたり実施していた。
1997年に企画が終了するまでに、「東洲斎写楽」「ルノワール」「ゴッホ」など全10シリーズを展開。同時に実施していた、抽選でシリーズ全種類が当たる応募キャンペーンには、累計で約500万口の申し込みがあったという。
封を開けるまでどのカードが入っているか分からないため、全種類を集めようと試みるコレクターも多数出たようだ。ネット上には「200枚ぐらい持ってた」「全セット集めたなあ」などの投稿が数多く見つかるほか、オークションサイト「ヤフオク!」には16年11月11日現在も100件近くの出品がある。
こうした企画の再開に、20代後半以降のネットユーザーからは「懐かしい!」との声が相次いだ。ツイッターやネット掲示板には、
「20年ぶりですか!懐かしいな~」
「五十三次カード復活するんだって!すごい!欲しい!」
「懐かしいなぁ。集めたいけど、子供の頃と違い今は塩分が気になる」
などといった声が相次いで上がっている。一方で、若いユーザーからは「ごめん...知らない」「まったく知らんのだが」といった反応も出ており、世代間ギャップが浮き彫りになっている形だ。
実際、今回の企画に際して永谷園が実施したインターネット調査(20代~40代の男女319人対象)では、「(企画を)知っている」と回答したのは40代が69.1%。30代は45.1%で、20代では40.2%だったという。
「日本の文化をより身近に感じて頂くために...」
約20年ぶりに企画を再開した理由について、永谷園広報部は11日のJ-CASTニュースの取材に対し、
「世界的な和食ブームや『クール・ジャパン』の施策など、日本のあらゆる文化に対する注目が高まっています。そうした中で、改めて日本の文化をより身近に感じて頂くため、『東海道五拾三次』のカードを復活することになりました」
と説明する。その上で、「お客様から『復活』を求める問い合わせが寄せられていたことも理由の1つです」とも話していた。
インターネット上での反応については、「いまも企画を懐かしく思って下さるお客様がいることは、大変嬉しく思っています」とコメント。その上で、
「これまで『知らなかった』というお客様も、今回のキャンペーン復活を通じて、永谷園が文化普及にも努めていることを知って頂く機会になれば幸いです」
としていた。
なお、今回の「東海道五拾三次カード」では、当時のカードとは違う「版」を図柄として採用したという。担当者は「もっとも浮世絵の良さが伝わる版を新たに選びました」と話していた。