日本航空(JAL)は2016年11月11日、同社の国内線が離陸中に49歳の女性客室乗務員(CA)が転倒し骨盤の一部を骨折する事故があったと発表した。国土交通省は航空事故に認定し、航空事故調査官を派遣した。JALが航空事故を起こすのは16年度では初めて。
離陸中に幼児が席の上を「はいはい」しているのをCAが発見して注意したが声が届かず、立ち上がろうとした時に機体が揺れて転倒。全治4週間のケガを負った。
鹿児島発羽田行きのJAL便で
事故は11月10日、鹿児島発羽田行きのJAL646便(ボーイング767-300型機、乗員乗客129人)で起きた。離陸後に飛行機が上昇中でシートベルトサインが点灯中だった13時23分頃、幼児が座席の上をはっているのを、CAが発見した。このときCAは、機体最後尾左側に前向きについている乗務員用座席(ジャンプシート)に座っており、客室を広く見渡せる状態だった。
本来ならば幼児は大人が抱っこする必要があるため、CAが父親に注意したが声が届かなかった。シートベルトを外し、身を乗り出して声をかけようとした瞬間に機体が揺れ、床に転倒した。CAは羽田空港到着後、「仙骨骨折、ならびに右ひじの打撲で全治4週間」の診断を受けた。「仙骨」は骨盤上方の骨のことを指す。このCA以外にけが人はいなかった。