米大統領選に当選した共和党のドナルド・トランプ氏(70)に対し、沖縄県の翁長雄志知事は、現状打破を期待して祝電まで送ったが、ネット上で様々な意見が出ている。
「いわゆる硬直状態というような政治はしないのではないか」。翁長知事は2016年11月9日、県庁内で記者団を前に、この日当選確実と報じられたトランプ氏をこう持ち上げた。
17年2月にも、訪米して面会したい考え
沖縄では、米軍普天間基地を名護市辺野古へ移設することを巡って、県と政府が対立して膠着状態になっている。一方、トランプ氏は選挙戦の期間、日本に駐留米軍の経費全額負担を求め、もし応じなければ、米軍を日本から撤退させると示唆してきた。
翁長知事は、こうした状況から、トランプ氏が基地移設などについて県側の意向に沿った行動を取ると期待しているようだ。記者団を前に、「私どもの意見も聞いていただいて、そしてその中でどのような判断をされるかということついては、やはり沖縄側からすると期待をしたい」と述べた。
そのうえで、トランプ氏が大統領に就任して関係閣僚も決まる17年2月にも、面会を求めて訪米したい考えを示した。
会見の翌10日には、前日に明かした通り、トランプ氏に祝電を送る異例の対応を行った。その中で、「大統領就任後は、アメリカと沖縄との関係について話し合う機会をつくっていただき、双方にとって良い結果となるよう、強力なリーダーシップを発揮されることを期待しております」と訴えている。
翁長知事は、11月11日の定例会見でも、沖縄県のワシントン事務所にトランプ氏に面会を申し入れるよう指示したことを明らかにした。
県は、普天間基地の移設反対をアメリカ側に訴えるため、15年4月に事務所を設置し、翁長知事が2度も訪米して関係者らに働きかけてきている。