ITを活用して自宅などで仕事をする「テレワーク」という考え方がある。世耕弘成経産相は、これに関連して、政府が進める「働き方改革」の一環として、各省庁職員が自宅で国会答弁作りに参加できるように環境整備を進めたい考えを明らかにした。
しかし、ネット上では、疑問の声が続出している。
「答弁作りは、最もテレワークに適した業務」
世耕氏は、2016年11月8日の閣議後会見で、働き方改革についての質問が出ると、官僚による大臣などの国会答弁作りについて「最もテレワークに適した業務ではないか」と持論を述べた。
各省庁職員は、議員から大臣などへの質問内容の通告があるまで待機せざるをえず、残業が深夜まで及ぶことも多いとされる。世耕氏は、このことに触れ、「テレワークでいわゆる待機という形でずっと待ってるんじゃなくて、家へ帰ってそして必要があれば作業に参加するということです」と持論の趣旨を説明した。「自宅からみんな参加できるように、子供の宿題を見ながらとか、そういう形で作業ができるような環境を整えるようにしたい」ともした。
ただ、「ものすごく残業をやってるのをそのまま自宅に持って帰ったら同じこと」だとは認め、答弁を作るプロセスを見直して効率的な答弁作りができるようにする方針も明らかにした。つまり、持ち帰り仕事の時間を短縮したいということらしい。答弁作りのテレワークは、17年の通常国会からやる考えも示した。
答弁を作るプロセスを短縮することについては、自らも率先して行っていることも世耕氏は強調した。
職員が答弁を作ると秘書官からメールがあり、自宅でセキュリティが保たれた専用タブレットから経産省のサーバーにアクセスして、そこで答弁を夜や朝早く予習をする。その結果、世耕氏と職員との答弁勉強会では、内容を理解した答弁についてはスキップすることができ、勉強会の時間を大幅に短縮することができるようになったと明かした。