虚偽の募金会見にダマされたマスコミ 掲載・謝罪したのは、あの新聞社と...

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「これを報じて大丈夫なのか?という感覚」が...

   さて、どうしてメディアは嘘を見抜けなかったのか。まず会見について、J-CASTニュースが11月10日に厚労省の報道担当に話を聞いてみたところ、会見には厚労省主催のものと、記者クラブが独自に依頼を受けて開催するものがあり、今回は後者だと説明した。会見を担当したのは読売新聞だった。会見にはおば1人が出席し、記者に資料を配って説明した。

   読売新聞のニュースサイト「YOMIURI ONLINE」(11月10日)には謝罪文が掲載されていて、会見に至る経緯はまず、11月1日に「難病のおいに米国で手術を受けさせるため、その子の親と一緒に、募金を呼びかける記者会見をしたい」という申し込みがあり、それを受けた。担当記者は会見内容と配布されたチラシなどを基に記事を執筆し、9日朝刊の都内版に記事を掲載した。ほかの一部の新聞、テレビも同内容を報道した。しかし、9日午前に男児の祖母から同紙に「記事は事実ではない」と指摘があった。担当記者は、男児本人や両親への取材はしておらず、チラシに掲載された男児の生年月日と、HPの生年月日が違うのにも関わらず虚偽に気づかなかった、とし、

「警視庁に情報提供するとともに、都内版の記事を削除し、ヨミウリ・オンラインにアップした同じ記事も削除するなどした。本紙は、担当記者らの懲戒処分を検討している」

と書いている。

   記事にしなかったメディアもあり、その差についてJ-CASTニュースが厚労省の報道担当に質問したところ、今回の件は厚労省の管轄ではない、としたうえで、

「これを報じて大丈夫なのか?という感覚を持てたかどうかの差ではないでしょうか」

と話していた。

   会見を通じて誤報が出た例では、群馬県太田市が16年9月26日に市の記者クラブで、パリで行われた格闘技ゲームの世界大会で市の臨時職員が優勝したとの発表が記憶に新しい。この臨時職員はパリにすら行っていなかった。ゲームが上手いと周りにおだてられ、虚偽の報告をしてしまったことが原因だった。この時は地元の上毛新聞と朝日新聞の地方版が発表を信じて誤報を流した。

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