心臓病予防の啓蒙活動を行う公益財団法人「日本心臓財団」と、米国に本社がある心疾患治療機器の開発・販売「エドワーズ・ライフ・サイエンス」(ELS社)と和歌山県の3者が合同で「心臓のやさしいご当地レシピ」を開発し、2016年11月4日、発表した。
和歌山県の豊富な海の幸と山の幸を食材に使い、塩分控えめ、野菜たっぷりなどをコンセプトに朝食から夕食まで3食分を四季に応じ合計24種用意した。
塩分控えめ、野菜たっぷり、食材のうま味を引き出す
日本心臓財団などの発表資料によると、このレシピは「ハートレシピ」と名づけられ、2015年9月に同財団・ELS社が高知県と共同開発した「高知県版ご当地レシピ」に続く第2弾だ。高知県も和歌山県もともに高齢化が進み、心疾患による死亡率が高く、地域の特産品を生かしながら、心臓病を防ぐ食生活を普及させることが目的。今回、レシピの開発は和歌山県立医科大学の研究チームの協力で行なわれた。コンセプトは、次のとおりだ。
(1)1日当たりの食塩を6ミリグラム未満、野菜を350グラム以上、摂取エネルギーを1750キロカロリー以下、脂質は48グラム以下、食物繊維を17グラム以上とし、高血圧や動脈硬化、糖尿病など心臓病の原因を防ぐメニューにしている。
(2)バランスを考え、野菜、海草、イモ類、果物など1日平均33種類の食材を使用。
(3)自然をおいしく食べるため、食材そのものに含まれる、うま味や甘味、苦みを生かし、できるだけ調味料を使わない。
和歌山県以外でも手に入る食材を多く使っており、1つ1つの料理にレシピがついているので全国の人にも参考になる。「高知県版ご当地レシピ」と合わせて、同財団の「心臓にやさしいハートレシピ」のウェブサイトで見ることができる。