勝っても負けてもスカッとした結末
確かに、日本シリーズは接戦が多く、ドラマチックな展開が多かった。広島2連勝のあと日本ハム4連勝もすごかったが、サヨナラ満塁本塁打あり、優勝が決まった試合でも満塁ホームランが飛び出した。
つまり勝っても負けてもスカッとした結末で、プロ野球ならではの醍醐味に満ちあふれていたのである。
日本シリーズの常連だった巨人は静かに戦力の立て直しに必死だった。日本一の日本ハムとのトレードを行い、かつてのMVP投手を獲得したのはその現れだった。
今年の日本シリーズの結果を冷静に見ると、プロ野球に新しい時代がやってきたといえる気がするのだ。巨人や阪神、それに西武が勝たなくても十分採算が取れる業界になったということである。
安倍政権の「地方創生」政策を先取りしているともいえる。来年のメディアが「プロ野球は商売になる」と思いを改めるのかどうか、その取り組みに注目したい。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)