がん克服の米少女がいじめで悲劇 後遺症で笑顔がぎこちなくなり

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   米国で小児がんを克服した少女が、がんの後遺症で表情がゆがむことを理由に学校で執拗ないじめに遭い続けたあげく、拳銃で自殺した。

   少女がいじめに遭っていることを周囲に訴え、学校や地域の教育責任者も把握していたのにいじめを防げなかった。2016年11月1日、CNNなどが報道した。

親友に「もうこれ以上堪えられない」と言い残し...

   CNNの報道によると、少女はオハイオ州の小学6年生ベサニー・トンプソンさん(11歳)。3歳の時に脳腫瘍になり、放射線治療を受けて7年前に脳腫瘍を克服した。しかし、治療の過程で神経を損傷、笑顔がぎこちなくなり、表情がゆがむ症状が残った。

   このため、学校で男子児童からいじめを受けるようになり、ベサニーさんは家族や友だち、カウンセラーらに相談していた。両親は転校させることも考えたが、1年生の時から通い続けている学校の方が、周囲が後遺症の事情を知っているため安全だと判断した。ベサニーさんには応援してくれる女子児童がいたが、同じクラスの男子児童からのいじめは止まらなかった。

   特にひどいいじめを受けた2016年10月19日、ベサニーさんは親友に「もうこれ以上耐えられない」と言い残し、自宅にあった拳銃で自分を撃って死亡した。両親は子どもの目の届かない場所に銃をしまっていたが、ベサニーさんが探し出したとみられる。親友の父親が急いでベサニーさんの母親に電話で連絡したが、間に合わなかった。

   CNNの取材によると、学校の校長は自殺する2日前にベサニーさんから直接相談を受けていたが、校長は「調査中だ」と説明したという。また、小学校区の責任者も、いじめについて把握していたことを認め、「昨年、担当者が調査を行い、適切に解決していた」と答えた。

   ベサニーさんは優しくて活発で、水泳と動物と音楽が大好きな少女だった。10月30日に知人の呼びかけでベサニーの葬儀費用を集めるための集会が開かれ、目標額の2000ドル(約21万円)に加え5500ドル(約57万6000円)以上の寄付が集まった。遺族は寄付金を使ってベサニーさんの名で基金を設立し、いじめ撲滅に向けた啓発活動の展開を計画しているという。

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