鳥取の冬の味覚、松葉ガニ(ズワイガニの雄)の初競りが鳥取市内であり、1匹130万円の高値がついた。同県で水揚げされた松葉ガニの最高級クラス「五輝星(いつきぼし)」に認定されたカニ。鳥取県水産課によると、これまでの最高値は昨(2015)年の1匹70万円で、一気に最高額を押し上げた形だ。
競り落とした地元仲買業者の好意もあり、この130万円のカニは、地元の水族館にしばらく預けられ、一般の人が見ることができるという。
鳥取県中部地震の影響を跳ね返そうと...
初競りは2016年11月7日、鳥取市の鳥取港であった。鳥取県では、甲羅幅13.5センチ以上などの基準を満たした松葉ガニを、昨季から最高級の新ブランド「五輝星」として売り出している。水揚げ全体の1%に満たない量だという。ブランド化前の初競り時の最高価格は、概ね20万円前後だったが、15年には70万円となり、今回16年は130万円と、一気に100万円を突破した。
今回の高値について、県内のある水産関係者は、ブランド化の浸透の影響だけでなく、10月の鳥取県中部での地震による観光へのマイナスの影響を跳ね返そう、鳥取がんばろう、という仲買業者らの心意気も関係したのかもしれない、と感想を口にした。
実際、競り落とした業者の好意により、当面の間、11月9日から県立の水族館、とっとり賀露かにっこ館(鳥取市)で、この130万円の松葉ガニが水槽展示されることになった(公開期限は未定、入場無料)。
鳥取県では10月21日、中部を最大震度6弱の地震が襲った。このニュースが全国に流れた影響で、被害がなかった地域も含め、全県的に旅館・ホテルでキャンセルが相次いでいる。
県水産課では、「現在、(カニを食べに鳥取へようこそ、の意をかけた)『ウェルカニ』キャンペーンを行っています。県内にはカニをはじめ、おいしいものがそろっています。ぜひ、多くの方々に食べに来てほしいです」と話している。