クリントン当選を織り込む動きが優勢だが...
前出の第一生命経済研究所の藤代宏一氏は、「(7日の株式相場は)日経平均株価は前週後半に500円程度下落した反動もあって1万7000円を回復。米株先物も急上昇しています。選挙戦の結果判明を前にクリントン氏の当選を織り込む動きが優勢です」とみている。
ただ、選挙期間中になんども窮地に陥ったトランプ氏は、その都度、なんどもはい上がってきた経験があり、開票されるまでは予断を許さないのも事実。
藤代氏は、クリントン氏の勝利なら、政策不透明感の後退から「米株高・米金利上昇・USD高」となり、「東京市場では『円安・株高』が予想されます」。一方、トランプ氏の勝利なら、「政策不透明感の増幅に加えて、金融政策への関与が強まるとの見方から『米株安・米金利低下・USD売り』となります」と指摘。東京市場では「円高・株安」になるという。
トランプ氏は超緩和的な金融緩和策の採用に積極的であることで知られる。そのため、米ドル安のイメージが強い。しかし為替政策については、クリントン氏も、オバマ大統領と比べると保護主義的な色彩が強くなるとのイメージがあることから、米ドル安を見込む向きが少なくない。
そのため、藤代氏は「持続的な米ドル高は想定しにくい」とみている。