南京事件を取り上げた日本テレビの番組をめぐり、産経新聞は2016年11月6日付朝刊で、産経の番組検証記事に抗議していた日テレ側に対して反論した。
日テレでは、15年10月に「NNNドキュメント~南京事件 兵士たちの遺言」を放送した。
問題の写真をめぐり異なる見解
これに対し、産経は、16年10月16日付朝刊で「『虐殺』写真に裏付けなし」とする検証記事を載せたが、日テレ側が26日に番組サイトで「虐殺写真と断定して放送はしていない」などと抗議していた。
産経は今回の反論記事で、日テレ番組が焦点を当てた、多くの人が倒れている写真について、「日テレ側としても、番組で使用した写真を視聴者が『虐殺写真』と認識することに異論はなかったはずだ」と指摘した。番組は、優れたドキュメンタリーなどに贈られるギャラクシー賞を受賞しているが、その選考過程での推奨理由として「虐殺の一枚の写真」「1937年12月の数日間に南京で大量虐殺が行われたことが浮かび上がる」とあり、日テレ側が辞退せずに受賞したことから、そう認識されることは理解していたはずだとしている。
反論記事では、写真について、そもそも「入手経緯不明」だと疑問点も挙げた。また、日テレに対して、「問い合わせに答えぬ」などと批判している。最後に、日テレ側が産経に抗議しながらギャラクシー賞側の「虐殺」表現に抗議しないのは、「ダブルスタンダードと批判されかねない」として、「(編注:ギャラクシー賞主催の)懇談会にも内容証明郵便で抗議文を送られてはいかがだろうか」と皮肉を交え、締めくくっている。