「炎上」騒動を数々起こしてきた、お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣さん(36)が、このほど刊行した新作絵本でネットの炎上をテーマにした。
これを機に西野さんはJ-CASTニュースのインタビューに応じ、自身の炎上体験や炎上をどう捉えているのかについて率直に語った。
「炎上をネガティブに捉えるのはジジ臭くてね」
西野さんは絵本作家の顔を持ち、新作絵本『えんとつ町のプペル』(幻冬舎)では、「人と違う新しいことをしようとすると叩かれる」という現代社会の閉塞感を描いたといい、SNS叩きの風刺画とも位置付けている。
西野さんはかつて「テレビのひな壇はもうやめる」と発言したことが、「脇役はもうやらない」といった傲慢なニュアンスで伝わって炎上するハメになった。趣旨は全く逆だったが、この件で「いろんな人に叩かれましたよ」と話す。
「アンチ西野の人が『ひな壇に出ろよ』って僕に言うわけですよ。見たいの? 嫌いな僕をそんなにテレビで見たいの? 理屈として破綻してるんですよ、アンチの言い分って。ただ単純に、輪から外れようとする人を叩く。『みんながこうしてんねやからお前も同じことやれよ』と」
絵本作家を始めた時も、同業のお笑い仲間にさえ「芸人のくせに何してんねん」と言われたという。
「でも理屈で言うと、ライバルの芸人からしたら、みんなが漫才やってる中で僕は絵描いてるわけやから、競争相手が減ってラッキーなはずやん」
「炎上商法」「好感度低い芸人」などと言われようがノーダメージらしい。
方々から怒りの矛先を向けられてきた西野さんだが、それでも「炎上は絶対に良いこと」と断言する。バッシングを受けて面倒に思ったり、イライラしたりすることはないとも語る。
「どんな形であれ、作品が広まるのは良い」。ということは、あえて炎上させているのか、と聞くと、
「狙ってはいないですよ。思ってることを言ってるだけ。それで炎上してもブレーキは踏まない。大体、炎上をネガティブに捉えるのはジジ臭くてね。短絡的ですよ。大事なのはそこで何が語られているか。炎上って議論されている状態であって、逆に戦時中みたいに統制されて議論がなくなるのは危険」
という答えが返ってきた。
絵本にお笑いは持ち込まない
絵本にお笑いは持ち込まない。「ガチでやる方が『イジりしろ』がありますからね。真面目に絵本描いて成功すればおいしいし、失敗しても芸人としてイジられます。どっちに転んでもおいしい」。
新作刊行を記念した10月22日のイベントでは、品川庄司・品川祐さんと自身を並べ、「ネタではなく本当に嫌われてる」と話した西野さんだが、今回のインタビューではさらに、
「マジでもっと嫌われてるのは(相方の)梶原(雄太)ですけどね。あいつはイジられてもいないから、はい」
と笑った。
新作絵本は、西野さんが絵コンテとストーリー原案を作り、制作統括のペラン・アントワーヌ氏が西野さんのイメージを具現化できるクリエイター35人を集めた。西野さんの監督のもと、4年半かけて作品に仕上げたという。