回転すしチェーン「無添くら寿司」が牛丼業界に殴り込みだ。2016年11月4日から全国379店舗で販売を開始。一杯370円という専門店チェーンを意識した価格で「牛丼を超えた、『牛丼』」を謳っている。
くらコーポレーションは6年間の研究開発を経た大型戦略商品と位置付けていて、「既存の専門店チェーンを食ってやる、そんな意気込みです」と語っているが、吉野家、松屋、すき家といった御三家にどこまで食い込めるのだろうか。
6年前から研究開発を進めてきた
J-CASTニュースは16年11月4日の午後3時過ぎに東京都武蔵野市にある店舗を訪ねてみた。店を囲むように牛丼の新発売を知らせる多数の幟が立っていて、その本気度がうかがえた。
店に入ると時間帯もあって客はまばらだ。席に案内され牛丼とあさり汁(税抜180円)を注文した。この混み方ならば専門店チェーンなら牛丼はすぐに出て来るが、ここではなかなか来なかった。あさり汁が出てきた2、3分後に目当ての牛丼が登場。他チェーンに比べれば全体的にしっとり感がある分、躍動感に乏しいが、肉には高級感がある。口に入れると肉はホロリと溶けた。他の牛丼チェーンのものよりも、見た目も味も、蕎麦店や、少し高級な定食店で出されるものに似ていた。特筆すべきはあさり汁のうまさで、この値段でこの味とボリュームには恐れ入った。せっかくだから、寿司もつまもうと思ったが、牛丼とあさり汁でお腹が満足してしまったためやめることにした。会計は594円だった。
帰り際に女性店員から、
「牛丼いかがでした?私はまだ食べてないんですよ」
と聞かれたので、
「専門店チェーンと比べて、寿司店ですから、高級感があっていいんではないですかね」
と答えたら「ありがとうございます!!!」と非常に喜んでいた。
「くら寿司」を展開する「くらコーポレーション」に話を聞いたところ、同社ではラーメン、カレーといったサイドメニューを提供しているが、牛丼を出すのが悲願であり6年前から研究開発を進めてきた。シンプルなメニューだけに味の調節が難しく試行錯誤し、満を持して自信作が完成、提供にこぎ着けたと同社広報は説明した。