【主治医が見つかる診療所】(テレビ東京)2016年10月24日放送
「太らない食べ方 ダイエットの新常識」
「食欲の秋」真っ最中、おいしいものの誘惑は多いが、太りたくないからガマンガマン...という人、結構多いのでは。
しかし、ある3つのポイントに気を付けるだけで、ご飯やおやつ、油を摂(と)っても太りにくくなる。
「太りやすい度」チェックで食生活見直しを
まずは自分の「太りやすい度」をチェックしてみよう。
(1) 生活リズムは夜型というより朝型だ
(2) 食事は3食摂ることが少ない
(3) 朝食を抜くことが多い
(4) 食事は炭水化物がないと気が済まない
(5) 野菜を食べることが少ない
(6) 特に夕食に量を多く摂ってしまう
(7) 夕食の時間は遅いことが多い(特に21時以降)
(8) お酒を飲む時は何かつまんでしまう
(9) 寝る前につい間食をする
当てはまった数が3~7個でイエローカードだ。すでに太りやすい食習慣になっているため、修正を。
8個以上はレッドカード。メタボリックシンドロームの危険があり、今すぐ生活習慣を変えよう。
冷やすとデンプンが「快腸デンプン」に変化
太りやすいとの判定は出たが、ご飯は抜きたくない...そんな人にオススメなのが、「冷たいご飯」だ。
炭水化物には、「レジスタントスターチ」というデンプンが含まれている。 岐阜大学応用生物科学部・早川享志教授は、これを「快腸デンプン」と呼んでいる。
通常のデンプンは胃などで消化され、糖分として腸で吸収されるが、レジスタントスターチは消化されにくく、腸まで届いて便秘を予防するなど、食物繊維と同様の働きをする。
ご飯を冷やすと、デンプンの構造が変化し、消化されにくいレジスタントスターチに変化する。4度くらいで冷やすと最もレジスタントスターチが増えるので、冷蔵庫で冷やしたご飯を食べると最も効果的だ。
冷たいご飯を食べるのが嫌なら、最初から冷蔵庫に入れない、または冷蔵庫から出して室温に戻してから食べてもよい。ほかの炭水化物にもレジスタントスターチは含まれているので、ラーメンの代わりに冷やし中華、温かいパスタの代わりに冷製パスタを食べるのもOKだ。
ひめのともみクリニック・姫野友美院長「朝食に温かいご飯をちょっと食べて、残ったご飯をお弁当にし、昼食に冷えた状態で食べるのもよい。常温でもある程度デンプンは固まる。意外と冷えたご飯はたくさん食べられないので、量が減るから一石二鳥」
冷たいご飯を食べる際には注意点も。
日本薬科大学・丁宗鐵学長「レジスタントスターチは冷やすと増えるが、温かいご飯にも入っている。温かいご飯は非常に消化がいい。冷やしたご飯は胃腸が丈夫な人には合っているが、胃腸が弱い人には温かいご飯がオススメ」
太りにくくなる2種類のオイル
ダイエットのために我慢する人が多い「おやつ」も、食べる時間帯を選べば太りにくくなる。
体内では、「Bmal 1(ビーマルワン)」というタンパク質が食物のエネルギーを脂肪に合成している。昼間にエネルギーを消費し、夜間にエネルギーを蓄えるという活動を担っている。
16時頃から作用し始め、24時頃に最も活発になる。朝に近づくにつれてだんだん作用しなくなっていく。10時から15時の間はほとんど活動していないので、この時間帯はおやつを食べても太りにくい。
なるべく使う量を抑えたい「油」だが、摂るとかえって太りにくくなるのが「オメガ3の油」だ。コレステロールや中性脂肪の値を下げ、高血圧予防にもなり、脂肪を燃焼させ肥満を抑制する効果もある。
代表的なものが「エゴマオイル」と「アマニオイル」だ。
エゴマオイルはオメガ3の含有量が最も多い油で、心筋梗塞や脳卒中、がんの予防にも期待できる。やや独特な風味がある。
アマニオイルはクセがないので色々な料理に使える。リグナンというポリフェノールが含まれ、老化や乳がんの予防にもつながる。高温にすると効果が薄れるので、基本は生食で、調理する際は180度以下を心がけよう。