年をとるのが楽しくなる100歳の謎 脳と心に起こるドラマチックな変化

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自己満足よりボランティアが「長生き遺伝子」に働く

   ここで、驚きの研究が紹介された。

MCの桑田真帆アナ「運動だけはなく、心の持ちようが遺伝子のレベルで長生きに影響を与えているのです」

   カリフォルニア大学のスティーブン・コール教授は、「満足感」と長生きの研究を続けている。コール教授は、老化の元である「慢性炎症」を調べているうちに、ある遺伝子が慢性炎症を促進していることを発見した。それは「CTRA遺伝子群」だ。CTRA遺伝子群はストレスを受けると活発化し、満足感を得ると鎮静化する。そこで、人々の「満足感」の度合いと「CTRA遺伝子群」の活発度の関連を調べると、面白いことがわかった。

コール教授「満足感や達成感が高い人は、CTRA遺伝子群の活動が低くなります。つまり、体内の炎症が減り長生きにつながるのです。しかし、満足感の内容によっては逆効果になり、CTRA遺伝子群を活発にしてしまいます」

   コール教授によると、「食欲や性欲を満たす」「買い物をする」といった自分だけの「快楽的満足感」はCTRA遺伝子群を活発にする。しかし、「ボランティア活動をする」「家族や友人を大切にする」「アート作品を発表する」といった「生きがい型(社会貢献型)満足感」はCTRA遺伝子群を弱め、長寿につながるという。

コール教授「人間は何万年もかけて、仲間同士が助け合う社会的な動物に進化してきました。人間の脳は、仲間とつながり、お互いが助け合った時に炎症反応が収まるようプログラミングされていると考えられます」
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